好きになっちゃだめ。３

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「来週には帰ってくるよ」









来週か…




なんでかな、すごく遠く感じてしまう









……









……









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「まだかかるから、寝てていいよ。
着いたら起こしてあげるから」









『い、いえ…！！起きてますっ！
寝て、家に着いてそのままバイバイは寂しいから…』









「ははっ、そう？」







『はいっ！ちゃんと起きてます！』









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その後もやっぱり沈黙になっちゃって、
北山さんはハンドル両手に、
私は窓から通りすがってく夜景をただただ見るだけ。









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…ねぇ北山さん、知ってた？









お互い最近忙しくて、1ヶ月くらい会えなかったよね。
私今思えば、すごい頑張ってたなって思う。



仕事中だって
北山さんのこと頭によぎるし、
電話中なんてもう北山さんでいっぱいで。









私は近々ある、
大きなプロジェクトの企画書や資料をまとめたり、
そのプロジェクトに出る拓也のサポートもしなくちゃならない






北山さんは、
ライブの準備があり、バラエティやレコーディング、
雑誌の撮影にインタビュー。









…こう比べてみれば、


1日何十時間もある超タイトなスケジュールの北山さんの方が、
よっぽど忙しいに決まってる。









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…ブー









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＞もう帰ってきてるのー？
どうせならおねだりして泊まらせてもらいなよ♡









…りん、北山さんは明日、福岡に行っちゃうんだよ。









＞今日も疲れてるのに、わがまま言えない…









＞えぇー、ほんとに誰でも気遣うね。









だからそんなんじゃないって…




打ってたときに再び来たLINE









＞彼氏なんだから、たまにはわがままも大事じゃない？









…、









＞ふふ、じゃあ私行くね！
今からこうちゃんとデートなの♡








って恋人繋ぎしてる二人のツーショットも一緒に送られてきた








適当に返事返しといて、





信号赤のときにそっと、
北山さんの手に私の手を重ねてみた









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「…どした？」









『…北山さんが恋しくなっちゃいました』







わがままなんて、あんまりわからないけどね。









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…そして手を重ねたまま、私はいつの間にか寝てしまっていた





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