好きになっちゃだめ。２

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「みんなにも言っとくから。
チケットは俺が取っててあげる」









『でもそんなっ…！！やっぱり私…』









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…ライブなんか、行ったことないよ。









もちろん楽しそうで、


時間があっという間に過ぎちゃって、


ファンにとっては同じ空気吸えるってだけで
舞い上がっちゃったり。









そう思ってた。ううん、今もそう思ってる。








だけど、だけどそれでも少しだけ、怖いものがあるの…









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「…もしかしてさ、」









「ファンの子たちのこと気にしてんの？」









な…









なんでわか…


ービクッ









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…え…？



今、北山さんの手がビクッて…







気のせい…？









いやいや、そんなことじゃなくて、









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「ねぇ、そうなんでしょ」









『…どうしてわかったんですか』









「ほらやっぱり！
んー、なんとなく？」











まぁそのことは置いといて…って、話を逸らした。









「アイドルが彼氏って、大変なんだよ」









『…やっぱりそうですよね…』








「不安なんでしょ？」








『…不安っていうか、
北山さんを想い続けてる子がたくさんいる中で、
どうして北山さんの彼女になれたのかもわからない
普通のOLしてる私が行くのってやっぱり…って
思っちゃうんです』









…ファンの子たちの目があるんだよ。




五万人もの目が。




そんな中で普通に叫んだり、
楽しむのってダメなんじゃないかなって思っちゃう









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「…Aがミツの彼女って理由、教えてあげよっか」









『…え？』













「本人から聞いてるかもしんないけど、
ぶっちゃけこの人、Aに一目惚れだったのよ」









あ…それ北山さんから聞いたことあるっけ…









「ミツ、初対面のときにAがふわって笑った顔に
惹かれたみたい」









「また会えねーかなー…とかずっと言ってた」









…そうだったんだ…








こんな私のこと、
ほんとにそんな前からに想ってくれてたんだ…






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