好きになっちゃだめ。２

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久しぶりに聞く、北山さんの声








なんだか切なくなっちゃう。











「…もしかして浮気してる男？」









横にいる拓也がそう呟いた








浮気…？










『そんなんじゃないってっ…！やめてよっ』









そんな言い方しないでよ、ちがうもん。









「浮気してんだろ？電話の男」







『そんなんじゃないってばっっ！！』









なんでそうやって何でもかんでも決めつけるの、
拓也の悪いとこ。









「だってほんとじゃん。Aに好きって言ったのに
他の女とイチャついてたん…」






『私だって信じてたっっっ！！！』









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『…私好きって言われたとき、
さすがに初めは信じれなかったけど、
今思えばちゃんと本人が好きって言ってくれたもんっ…』









そうだよ、
電話越しだったけどちゃんと言ってくれた









それまで何回北山さんのことが頭に浮かんだか、
わかんないくらい考えてたのに、





その人に好きって言ってもらえた。









私も嘘かな、って思ってるところはあるし、
冗談だって思ってるとこもあるよ








だって相手はアイドル。







そう考えたら、私を好きになるより
ニュースに出たモデルさんの方がよっぽど効率がいい。









.









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それから拓也に色々と言われたけど、
気づいた部分があるんだ。









.









『ずっと引きずってた私を笑顔にしてくれたのは、
北山さんだった』









ここのとこ、いつも笑顔でいられたのは、
全部、北山さんのおかげ。









北山さんが毎日のように電話してくれるから、
夜が楽しみで仕事頑張れるし、







ご飯食べに行ったときからだって、
それ思い出しただけで幸せな気がして、









拓也のことで





泣いて悩んで飲んで、






頭いっぱいだった私は、
いつの間にか北山さんで頭がいっぱいだったの。









それにずっと気づけなかった。









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私は北山さんのこと、









アイドルとしてじゃなく、









一人の男性として、好きなの。









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