好きになっちゃだめ。２

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「…A？」









『…うそだ』









『じゃあなんでっ…』









あのとき、私を突き放したの…？









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「…俺が別れようって言ったのは、さめたからじゃなくて、 遠距離になるのは可哀想だって思ったから」









『…っ、』









「ほんとは俺別れたくなかったし、
むしろすっごい好きだった」









好きだった








そんなこと言わないでよ









別れたのは私のため…？












「Aが東京行ってからだって、ずっとお前のこと
考えちゃってて、そんなときに転勤の話が来てさ」









「俺が頼りにされてるってことに嬉しかったのと、
またAに会えるって思ったのも一つの理由」









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「…その涙は、俺を想って流してくれてんの？」









…久しぶりに見た、拓也の切ない表情。









もちろん、
今までずっと思い続けてきてくれたんだっていう驚きと、








私が前まで引きずってた昔の恋を、
今なら取り戻せるのかなっていうとまどい。









…でも、北山さんのことで涙流してるのも
心のどこかに一部ある









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「告白、受け入れんの？」









…あなたが今、
好きだなんて言ったから戸惑ってるんじゃないですか









「俺の方がいいと思うけど」









『…あのね、告白してきた人はっ…』








prrrrrr.









拓也にアイドルの北山さんだって言ったら、
この厳しい状況をわかってくれるって思ったのに、









言おうとする前に、携帯が鳴った









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‘' 北山さん ”









…うそでしょ






こんなときに…









「出ていいよ」









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『うんっ…』









呼吸を整えて、








『もしもし』









「良かった…出てくれた…」









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久しぶりに聞いた、北山さんの優しい声。









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