好きになっちゃだめ。 (ページ32)

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こういう時はどうすればいいの

とにかく、お家までお家まで……

『北山さん、耳塞ぐので、
その間に運転手さんにお家の住所伝えてください！』

って言って、両手で両耳をキューッて塞いだ。

芸能人のお家なんだもん、
こんな私が知ったこっちゃならんて話よね。

そう、北山さんをお家まで見送ったら、
そのまま帰る、そのまま帰る、、、

横ではグタッてなってる北山さんだけど、
なぜかクスッて笑ってた。

.

.

「ここですかね？」

運転手さんの質問に
はい、ありがとうございますってきちんとお礼言ってからタクシーから出る北山さん。

それに続いて私も北山さんの後ろを歩く。

.

『あの北山さん…、私…どうすれば…』

「あー…帰っていいよ、ありがとう…ごほっ」

・・・

「うつっちゃ…」

『何階ですか？部屋』

「え？」

アイドルのお家に一般人が行ったなんて噂が広まったら
きっと世間で大ニュースになる。

だけど、こんな北山さんを見て1人にするのは
私も見ていてキツイんです、
わかってください世間の人たち。

それに、テレビの前ではいつも頑張ってるから
余計に心配になっちゃう。

『部屋に入っちゃだめっていうのはわかってます。
でも北山さんのことすごい心配だからっ…、』

「Aちゃん…」

.

「じゃあお願いしてもいい…？」

『はい！！荷物持ちますよ』

返ってくる言葉が真逆だったから
声がおっきくなっちゃった。

元気だねってまた苦しそうな顔して笑ってる。

.

『お邪魔しまーす…』

.

…すごい、、、

芸能人のお家ってこんな広いの…？

きちんと整理整頓されてあるし、
玄関ホールだけでもすごいきれい…

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『北山さん、とりあえず寝室行って横になってて下さい』

って言って、私も寝室に入らせてもらった。

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