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数日後、
『いったー…』
今日は運がついてないのか、
机の引き出しで指をつめたり、
社員の人とぶつかりそうになったり、
しまいには腕をドアでぶつけて皮がむけたり。
残業の帰りに薬局に寄っていった。
もう閉店前の時間だ…！
『えーっと…あ、あった』
いつも買ってる絆創膏とシップをカゴに入れて
レジまで早歩き。
.
『…え……？』
薬局を出たら、
前に見たことある人影を見つけた。
.
『北山…さん…？』
.
うそだ、こんなところでまで会うなんて。
でもあの体の形からして、絶対北山さん。
わかるよ、ファンだもん。
ちょっとだけフラフラしてたから、
心配になって思わず声をかけてしまった
『北山さん？』
「…Aちゃん！？ごほっごほっ」
何度も何度も咳払いしてる北山さん。
いつもみたいにニット帽被ってマスクしてたから
表情はあんまりわからなかったけど、
『風邪ですか…？』
.
手に持ってる袋の中には、
咳止めの薬と熱覚ましの薬、お水が入ってた。
「あー大丈夫大丈夫。
この程度は風邪って言わっ…ごほっごほっごほっ！」
『き、北山さん！？大丈夫ですか！？』
「Aちゃんっ…
袋の中に入ってる咳止めの薬ちょうだい…」
『は、はい…！どうぞ…！』
水が入ってるペットボトルのキャップを開けて、
薬とお水を北山さんに渡した。
.
「ありがとう…」
.
ってペットボトルを返されたときに重なった手は、
予想以上に熱かった。
『北山さん…熱もあるんですか…？』
「微熱程度だからだいじょー…」
北山さんの言葉なんか無視して、
おでこに手を当てたらやっぱりすごく熱くて。
.
こんなときって、どうすればいいの…？
しかも相手が相手だから
どう対処してあげればいいかわからない。
.
『とりあえず、お家に帰りましょう…？』
とりあえずタクシー呼んで、
北山さんと一緒に乗り込んだ。
.
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作者名：あかやま。
| 作成日時：2016年5月22日 21時
