好きになっちゃだめ。 (ページ12)

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北山くんのソロ曲聴きながら、

いつもの場所通って家に帰ってた途中だった

いつも居なかったから。

今日も来ないだろうって思って素通りするつもりが

目の前に居たんだもん

だからびっくりして放心状態になっちゃってる

間違いないよね…？

この人だよね？親切にしてくれた人

.

『あ、あのっ、一度お会いしたこと…』

「前会ったよね？会ったことあるよね…！？」

私の言葉を遮るようにして聞いてきた。

『はい、私も会ったことあるって思ってました』

「覚えててくれたんだ…」

『当たり前ですっ、あっ、こないだのマフラーっ」』

.

覚えててくれたんだってホッとした顔を見せた笑顔が
すごく落ち着く。

.

「別にいいのに笑」

『いえっ…！ほんとにありがとうございました』

ペコッて頭下げてから帰ろうとした

.

ぎゅっー

急に腕掴まれて

「あのさ…、俺のこと、わかる…？」

.

その言葉を聞いたときに確信した。

やっぱりあなたは、北山くんなんだね。

.

『北山…さん…？』

もちろん初対面だから、さん付け。

そしたら、周りをキョロキョロして、

掴んでた私の腕を、自分の方へ引き寄せて

.

「ふふ、当たり」

.

って耳のそばで言われた。

カァーッてなって北山さんの顔見ると、

向こうもちょっと照れてて。

.

これが本物なんだって、ちょっとだけキュンとした

.