好きになっちゃだめ。 (ページ11)

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11 北山さんside ページ11

あれから何日か、

早い時間に終わったら見に来て、

仕事終わったら見に来ての繰り返し。

.

ニカにも

「ミツ～、今日奢って～」

「残念、今から俺はいつものとこへ行くんですー」

「けち、最近そればっかじゃん、逆に疲れないの？」

…確かに、いつもならそのまま家帰ってたけど

家帰る前に寄って帰るのは周りから見たら面倒って
思うかもしれない。

でも俺は、あの子に会えるんじゃないかっていう
小さな希望でここの数日間過ごしてきた

.

「俺にだってちっちゃな可能性くらい信じさせてよ」

.

けっこう良いこと言ったな、俺。

そんなことを密かに思いつつ、テレビ局出て
いつもの場所へ寄った

.

.

…やっぱ来ねー……

.

でも、

声かわいかったな、とか

優しい人だったな、とか

色んなこと頭の中で考えてたときだった

.

.

「わっ！」

『…きゃっ！』

.

.

『ごめんなさいっ！前見れてなくてっ…え……？』

.

後ろから俺の背中にぶつかってきた女の子

.

.

…いた。

俺の努力が実った瞬間だった

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「…やっと見つけた」

.

.

気がつけばいつの間にか、そんな言葉を発していた

.