2滴 ページ2
彼を忘れてからは、長く辛かった毎日が短く感じた。
見違えるように明るくなっと思う私に、お父様とお母様は喜んだ。
毎日の稽古も厳しいマナーのレッスンも難なくこなせるようになり、様々な魔法も覚えた。
彼を忘れてから、数年。
誕生日に知らない人から手紙とプレゼントが届いた。
宛名はない…お父様に見つかると厄介なので私はこっそりと自分の部屋で開けてみた。
手紙には【ごめんなさい】と【誕生日おめでとう】だけ。
プレゼントは飾りすぎないシンプルで綺麗な紫のネックレスだった。
私の好みすぎて、驚いた…。誰かに私の話をした事はあったかな？と考えるが思い出せない。
まぁいいかと私はそのネックレスをつけた。
半年後、宛名のないプレゼントが届いた。
手紙の字は前と同じだったから、同じ人が送ってくれたのだろう。
開けると、次はイヤリングだった。
またしても私の好み。
手紙には【似合うと思って】。それだけ…
それから、不定期にその人からプレゼントが送られるようになって、しかも毎回【似合うと思って】って。
城から出てないのに…何を根拠に似合うと思ってと送ってるのか、面白くて、届くのを待ってる私がいた。
15歳の誕生日に届いたのは、ドレスだった。
これについてはお父様たちに隠せるはずもなく、報告したのだが…
「宛名のないプレゼントだと…？」
と、怒られるかもしれない、没収されるかもしれないと怯えたが、その考えは打ち砕かれた。
「お前を愛する人がいるということではないか！！お前に会わせていたのは他の国の王子しかおらん！！これは求婚と言うことで間違いない！！」
『え？お父様？？』
年齢を重ねて、とうとう頭に来てしまったか…そんなロマンチックな事ないでしょ…。
「次のパーティーにはそれを着て行くんだ。」
盛り上がるお父様とお母様。そして、最後に一言。
「これで婚約者が見つかるな、私達も安心だ。」
と。
この国の王女は15歳で婚約者を見つけ、18歳になる時に結婚するのだ。
私はそんな事したくないけど、王女に生まれたからには仕方ないこと。
部屋に戻り、手紙を読むと【最後のプレゼント。また会える日を願って__Vil Schoenheit】
と、書かれていた。
ヴィル…？
忘れてしまったはずなのに…思い出してはいけないのに…胸が熱く、涙が止まらない。
ヴィル…忘れてしまってごめんなさい。
私は一晩ずっと涙が止まらず、泣き続けた。
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愛羅(プロフ) - 続編も楽しみにさせていただきます。 (2020年8月17日 20時) (
レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
アリス。(プロフ) - 愛羅さん» 尊敬される程ではないですよ…。更新頻度は低いですが、これからも読んで頂けると嬉しいです。話数がないので続編に移行しますので、続編も引き続きよろしくお願いします。 (2020年8月15日 14時) (レス) id: dfed4aa78b (このIDを非表示/違反報告)
愛羅(プロフ) - 拙い文章で、お恥ずかしいです。本当に、尊敬します (2020年7月29日 3時) (レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
アリス。(プロフ) - 愛羅さん» ありがとうございます。そう言っていただき嬉しいです。 (2020年7月6日 0時) (レス) id: dfed4aa78b (このIDを非表示/違反報告)
愛羅(プロフ) - この物語好きです。ヴィル様が好きで読み始め、この物語に感動しました。続き、楽しみにしてます！ (2020年6月23日 20時) (レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリス。 | 作成日時：2020年5月14日 20時
