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「どうしたんだ?」
じっと若武くんを見ていると、ふいにそう言われた。
…まずい、不振だったか。「何でもないよ!」と笑い、誤魔化した。
「何でもない、じゃないだろ?絶対俺のこと見てたじゃん」
「…そんなことないし、」
「別に怒んないからさ」
教えろよ、と言いつつ、ずいっと顔を近づける。
鼻と鼻が触れそうになる距離。しかも相手はイケメン、私の心臓はバックバクである。……怖い、イケメン怖い尊い。
「……あのね、」
「何?」
ニッと笑う若武くん。
……私はあまりの急展開に、テンパったまま。慌てて口を開き、何とか弁解しようとする。
(……どうする?!もう素直にいった方がいい?小3ってどこまで進んでるんだろう…誤魔化し方が思い浮かばな……ッ)
「…か、和臣くんが……
カッコ、よかったから?」
___その瞬間、ボッと赤くなる若武くん。
…可愛い。
なんて、率直な感想を抑え込む。
これはマズイのでは…気まずくなるパターンなのでは…?
「……な、にいってんだよ」
「だって和臣くん、カッコいいもん。
頭だっていいし、スポーツも出来そうだし…」
ってか出来るでしょ。未来のエースストライカーなんだもの。
「…え、ぁ、ん……そ、そそそーだろ!?」
照れ隠し 下手くそか。くそかわじゃんありがとうございます。
落ち着いたのか、クールな顔で和臣くんは私にいった。
「……でも、彩も可愛いけどな(ニヤ」
「へあっ…?!何が!?」
ぐいっと手を引かれて、すぽっと若武くんの腕の中に収まる。
…小3だよね?
「頭だっていいし、すっげー優しいし……」
顔をじっと見られる。
……何この幸せな空間。
「目も綺麗だよな。青色!」
……あぁ、そうだっけ。
私の目は青い。深い深い、コバルトブルーだ。家族で一人だけなんだけど、原因はよく分からない。
シュン曰く、転生の時の作用か何か、らしい。時たまに起こる現象だと言う。
……若武くんの目は、とても澄んでいて、それこそ青にも見えるけど、私ほどではない。
「……彩、」
「何?どしたの、若武く、」
「『和臣』!」
あ、そっか。
まだ頭ん中じゃ苗字呼びだし、慣れないものは仕方がない。
強制するように声を張る若武くんは、何やら拘っているようだけど。
「なあ、」
と彼が言いかけたとき。
コンコン………
と、ノックの音がした。
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羽月 リオン(プロフ) - きららさん» ホントですか!ありがとうございます!!私のノリが嫌いじゃないとは……ある意味小説を褒められるよりも嬉しいかもですね(笑) (2018年4月5日 8時) (レス) id: 4e2a259151 (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - おもしろいです!そしてなにより作者さんのノリが嫌いじゃない…っ!! (2018年3月29日 21時) (レス) id: 482c54d942 (このIDを非表示/違反報告)
羽月 リオン(プロフ) - 眠い少女さん» 合作ですか! おお…私そういう経験はなくて不慣れなのですが、そんなヤツで良ければ…( 是非お願いします。 (2018年3月23日 21時) (レス) id: 4e2a259151 (このIDを非表示/違反報告)
眠い少女 - 羽月 リオンさん» リオンさん!僕と合作しませんか? (2018年3月23日 20時) (レス) id: 5372210ae9 (このIDを非表示/違反報告)
羽月 リオン(プロフ) - 星宮のあさん» コメントありがとうございます!更新頑張らせていただいます♪謝る必要ないですよ、語彙力なんて私の方が無いですから!(おい (2018年3月17日 19時) (レス) id: 4e2a259151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽月リオン | 作成日時:2018年1月20日 22時