この恋、出会いは覚えておりません (ページ25)

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『明日２０時くらいに家行く』

彼からそんな連絡が届いたのは、もうすぐ日付が変わる深夜だった。

『了解』

それだけ返信すると、すぐに電話が鳴った。
彼は電話派。
最初はメッセージを送ってくるけど、こっちが返信すればすぐ電話に切り替える。

「もしもし？」

『まだ起きてた？』

「うん。仕事終わったの？」

『今家着いた』

「そっか、おかえりなさい」

『……ただいま。なぁ、明日飯どーする？』

「あー、どうしよ？うち来るなら作ろうか？」

『実はそれ期待してた(笑)』

「何がいいの？(笑)」

『任せる！』

「それ一番困るやつ」

『んー、じゃあAの得意料理！』

「得意料理！？」

『そう』

「また無茶ぶりするなぁ。いいけど、あんまり期待しないでね？」

『Aなら大丈夫だよ。この前のも美味かったし』

「褒めても何も出ないよ？」

『そんなんじゃねーよ(笑)』

その後少し雑談をして電話を切ると、日付が変わって少し経っていた。
明日……いや、もう今日か。
仕事は定時で上がらせてもらって、ダッシュでスーパーだな。
メニューどうしよう。
定番の肉じゃがみたいな和食とか？
それともハンバーグとか洋食の方がいいのかな？
好き嫌いあるのかな、聞くの忘れた……。
ぐるぐると頭の中をいろいろな考えが巡る。

「どうしよっかな……」

考えているうちに、気付けば私は眠りに落ちていた。