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窓枠を見てみるとこちらを見上げる……手紙？
いや待て、手紙が喋っていると言うのか。ホラー映画の撮影なんて聞いていないのだが……
｢だーっ。それはただの手紙。本体は手紙の下だよ｣
そう叫ばれて安心するのも束の間、こいつ、さっきから私の心を読んでないか？とりあえず、手紙を受け取るとしよう。
｢ふぅ、重たかった。えーと、今更だけど君が
｢は、はい……あの、あなた、さっきから私の心を読んでないですか？｣
彼は名前があっていたことにふぅっと安堵の溜め息をついたが、質問をしたとたんに目を丸くし、硬直した。きょとんとするという言葉の例文の横に載せたいと思うくらいその言葉が似合っている。なにかおかしな事でも訊いただろうか
｢ふ……ふふっ、あははははははっ｣
さっきまで硬直していたのに、急に腹を抱えて笑いだした。呼吸するのもやっとというように笑い転げながら肩を上下させている。さっきから何なんだこいつは。
ひとしきり笑ったあと、目に涙を溜めたまま口を開いた
｢そんなの出来ないよ。それに出来たとしても、相手を見ないでどうやって心を読むのさ｣
｢あ……そっか。それはそうと、ちっちゃいですね｣
｢仕方ないじゃないか、種族的に。おっと失礼、まだ名乗っていなかったね。僕は
聞いてもいない名前と謎の自己紹介をしてようやく窓枠から立ち上がった。妖精よりも妖怪の方が容姿は近いのだが、妖精らしい。
｢妖狐とよく間違えられそうな容姿ですね｣
｢まぁ、違わなくはないんだけどさ……でも、妖怪ではないから｣
いやどっちだよ、というツッコミが喉まで出たが、ギリギリのところで飲み込んだ。この着物を着た妖狐は一体何歳なのだろうか。
｢何歳ですか。年齢不詳過ぎて見当もつかないんですけど｣
｢んーと、人間で言うと120歳で、妖精で言うと8歳かな｣
驚きすぎて声が出なかった。まぁ、5歳くらいかと思っていたのだが、予想のはるか上をいって24倍だった。妖精数は人間数の15で1になるらしい。
｢いやいや、こんな会話してる場合じゃないんだってば。早くその手紙を開けて。持っていくものリストが入ってるから｣
｢突然叫ばないでください。と言うか、前日にリストが届くって大丈夫なんですか？｣
｢いや、校長が忘れてたんだよ。君の分だけ。ほら、早くしてよ。1時間後にはもう買い出しに行くよ｣
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作者名：天川凛廻 | 作成日時：2017年12月24日 20時
