第11話 聞きたかったこと ページ12
金田一side
『試合、楽しみにしてなよ。』
耳に届いたその声は、ずっと聞きたかったけど今日だけは、烏野と会うときだけは聞きたくなかった声。
だって、烏野と会うときにその声が聞こえると言うことは"あの人"が烏野にいることの証明になってしまうから……
金「千尋さん……お久しぶりです。」
『うん、久しぶり。大きくなったね金田一。』
金「うス。あざス…。」
『あ、どうも烏野でマネージャーやってます。2年の茨木千尋です。いつも金田一がお世話になってます。』
矢「あ、えっと青葉城西高校でセッターやってます。矢巾茂、2年です。こちらこそいつも金田一くんには助けてもらってて……」
俺と簡単に言葉を交わしたあと、矢巾さんの方を向いて自己紹介を始める千尋さん。
っていうか矢巾さん何言ってんすか…
矢巾さんの慌てっぷりに笑みをこぼす千尋さんを見ると、心臓がうるさくなる。
でも、俺には聞きたいことがある…
金「千尋さん……烏野だったんスね。」
『うん。………なんで"ここ"じゃなかったかって?』
金「っ!!………はい。」
俺の心を見透かすかのように千尋さんが言う。
そう、千尋さんはここ青葉城西高校からも推薦は来ていた。
勉強でも、スポーツでも。
でも千尋さんはその推薦をけって違う高校に行った。
……烏野高校に。
『それは………』
千尋さんの言葉の続きに耳を澄ませる。
『………………
制服が好みだったからに決まってんじゃん』
金「え……?」
予想もしなかった回答に思わずすっとんきょうな声がでる。
千尋さんはそんな俺を見て、ふふふと楽しそうに笑いながら「それにさ、」と言葉を続ける。
『あのかつお節主将と同じ学校に通うなんてまっぴらごめんだからね。』
ふっと笑いながら俺らの主将を小馬鹿にする。
『私はのんびりバレーしたかったの。そこそこの学校入ってゆるーくね。
………ま、今は違うけど。』
最後にそう言った千尋さんの顔は、どこか寂しそうだった。
俺は何も言えなかった。
『じゃ、私そろそろ行くね。
皆のドリンクつくんなきゃだし。じゃ、また後で。』
立ち尽くす俺と隣の矢巾さんに手をひらひらとふって体育館へ向かう千尋さん。
「うス…。」と絞り出すように声を出すと、千尋さんはくるりと振り返ってこう言った。
『あ、そうだ。2人とも"今日は"何でも言ってね?』
「「??」」
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りんねむ(プロフ) - 桜音姫さん» 全然大丈夫です!お気になさらないで下さい! (2019年6月20日 6時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - すいません( ̄▽ ̄;)10番のイメージが強すぎて勘違いしてました(^_^;) (2019年6月20日 3時) (レス) id: 1b05663279 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 桜音姫さん» 原作沿いに書いているのですが、私の書くスピードが遅いもので……。すみません(^_^;)烏野10番の日向翔陽はもうしばらくお待ち下さい!!今回はコメントして頂いてありがとうございました!これからも本作品をよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月19日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 桜音姫さん» 初めまして!コメントありがとうございます!m(_ _)m先程、単行本2巻の方で確認しましたところ、青葉城西高校との初めての練習試合では、日向のゼッケン番号は5番でした。そこはまだユニフォームが届く前のお話なんですね! (2019年6月19日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - 初めまして(笑)今、練習試合のところまで読んだのですが、日向の背番号10番なのに5番になってるので訂正お願いします(^_^;) (2019年6月19日 18時) (レス) id: 1b05663279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんねむ | 作成日時:2019年1月11日 0時