トリプルフェイスのご寵愛vol.3【名探偵コナン】

ep.109　脳内整理 ページ18

千尋side


『うーん…』


腕を組んで右手を顎に添えて名前を考える。
…が、何も思いつかない。正確には考えられないのだ。色々な思考というか雑念が邪魔をして。この短時間で入ってきた情報は多い上に重い。


まず一つ目は赤井さんの変装の事。
詳しい事情はよくわからないが、偽名を使い変装までしていると言うことは、これはトップシークレット。誰が知っていて誰が知らないのかをしっかりと聞いておかなくては。

おそらくFBI関係の事情だろう。そして変装は有希子さんが協力者のはず…
日本の公安警察である私の領域では無いが、赤井さんも沖矢さんも新一もコナン君も私の大切な人だ。出来ることなら力になりたい…そう思った。


二つ目は赤井さんがジンさんたちとお友達だったこと。しかもケンカ中っていう…。複雑だし、なんか気まずそうにしてるのも気になるけどこれも深入りは出来ない。

それに私の"あだ名"を口にした時、明らかに二人の表情が変わった。私のあだ名にどうしてそこまで反応するのかわからないし、なんとなく知りたく無いようにも思う。心の中で何かが引っかかるが上手く言葉に出来なかった。


そして赤井さんが降谷さんの事を知っていた事。
降谷さんはいつも"安室透"という偽名を使って過ごしている。ゼロであることがバレないように。そして何処かの悪の組織的なところに潜入捜査しているとも聞いた。

なのに何故赤井さんは降谷のことを知っているのか。赤井さんは以前仕事を共にしたことがあると言っていたが、降谷さんは世界中の誰よりもこの日本が大好きだ。とてもじゃないがFBIと協力して仕事をするようにも思えない。やはりこの件も何か秘密が隠されている気がする。


そんな雑念がずっと頭に居座っていた。


…にしても今日の私話脱線しすぎだな…
通りで頭が混乱するわけだよ。その上赤井さんの煙草を見て、初恋と昔の想い人を思い出しちゃったもんだからもう何が何だか…笑

自然と笑いがこみ上げてくる私だった。


赤「降谷くんは怖いか？」

『え？』


そんな時、赤井さんが突然降谷さんの事を聞いてきた。その手には相変わらず煙草が挟まっている。


『まぁ厳しいですよ。でも嫌だなとは思いませんね。』

赤「ほぉー？」

『降谷さんいつも必死に頑張ってるから。何でもできるくせに全部ちゃんと努力してて。本当に凄いと思います。』

赤「なるほどな。」


私はイケメンハイスペックでちょっぴり意地悪な上司の顔を思い浮かべながらそう答えた。

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