ep.108 偽名と記憶 ページ17
赤井side
赤「……。偽名は決めたのか?まさか本名を使うわけじゃないだろう?」
彼女の"相談"とは、公安で行う潜入捜査のことだった。自分も
途中、ボウヤにも話を振ろうと思って見てみると何やら考え込んでいる様子だったので話しかけなかった。
彼女にボウヤのこの様子に気づいた気配はなかったので、大人同士で会話を続ける。
『はい。でも中々いい名前が思いつかなくて…。今ある候補は、佐藤花子・山田花子・田中花子ですね。』
赤「…偏りが激しいな。どれもいまいち…」
出された候補に対して俺がそう言うと「ですよねー…」と頭を抱える千尋。
笑ったり驚いたり悲しんだり悩んだり…本当に表情が豊かだ。そんな彼女を可愛らしく思う。
10年前はあんなにすましていたのに…
そう思ってまた煙草を吸うと、千尋がゆっくりと顔を上げた。そして上目遣いで俺を見上げる。
『赤井さんはどんな名前を使ってたんですか?』
赤「…俺は"諸星大"と言う名前を使っていた。」
『諸星大!なんかかっこいい!
その名字私も使っていいですか?!』
赤「あ、あぁ構わんが…」
『やったぁ!あとは下の名前!』
名前を言えばパッと明るくなる顔。やはり見ていて楽しくなる。
そして久しぶりに口にした
利用していただけはずなのに何故か惹かれてしまった"彼女"。しかしこの手で守りきることは出来なかった。
"彼女"と似た魅力も、また違った魅力も持つ目の前の女性。腕を組み、右手を顎に添えながら「うーん…」と悩んでいる。
明美よりずっと子供っぽくて、同じくらい優しくて、そして痩せ我慢をする。
さっきもそうだった。彼女は、俺やボウヤが彼女の涙に気づいたことに気づいていないようだが、そういうところもそっくりだ。
まだまだ知らないことも多いが、間違いなく俺は彼女に惹かれていた。
始めて会った時はまだ子供で、かなり背伸びをしていたように思う。彼女があの時の事を覚えているかはわからんが、俺はこの10年ずっと覚えていた。忘れられなかった。
あの日はFBIに入ることを決意した日だった。
たまたま一緒に事件を解決させた一人の少女は、その小さな身体に色々なモノを背負っていて、その姿から目を離せなかったのを今でも覚えている。
あれから10年。
ボウヤが君を連れてきた時はとても驚いたよ。
あの時よりも随分と大人に、綺麗になったな…愛しい愛しいJuliet…
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りんねむ(プロフ) - コメント、応援ありがとうございます!これからももっともっと楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2020年4月11日 2時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
#Marisa - めちゃくちゃ面白いです!これからも応援してます!更新頑張ってください! (2020年4月11日 1時) (レス) id: 12856f7fd8 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - イアデビルさん» コメントありがとうございます!!頑張ります!!(^_^)丿 (2020年4月4日 17時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2020年4月3日 13時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます!ファミリー揃うのマジか!!って感じです!私も公開日に絶対見に行きます!(^^)v (2019年12月6日 16時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんねむ | 作成日時:2019年11月25日 0時