第27話 敵は多いようじゃ… ページ30
カクside
千尋が長官室に来た日から何日かたった。
あの日は色々と忙しかったのぅ。特に心臓が。
ノックした音が聞こえ、ドアを開ければ、わしの心を乱すあの笑顔が咲いていて、わしのためにお茶を持って来てくれたと言う。(←違います皆のためです。)
部屋を見渡してわしとフクロウ、クマドリ、ブルーノ、そしてジャブラに声をかける千尋。
…ちょっと待て、あいつら何故千尋と面識がある？！
そんな彼女の姿を見て胸がチクッとした。
わしはこの時気づいてしまった。
千尋と喋っているジャブラ達に嫉妬している自分に。
千尋が自分にとってどんな存在であるかと言うことに。
そして、ジャブラ達も千尋の事をどんなふうに思っているのかも。
……わしは………わしらは
……千尋の事が………
そんなとき、ルッチが千尋にわしらの任務内容を話そうとする。
カ「やめろ！」
……やめてくれ！わしは千尋に嫌われたくない！
だがそんなわしの声を無視され、ルッチは怒鳴りながら千尋にそれを話す。
……もう終わりじゃ。
そう思ったときだった。
『……か、かっこいい！！！』
は？
千尋から耳を疑う様な言葉が。
何を言うとるんじゃ。
人殺し集団であるわしらをかっこいい？
その後、ルッチに対し熱く語る千尋。
"私は皆さんの事を怖がったり、軽蔑したり、嫌いになったりしませんし出来ません。"
わしらの不安を一瞬にしてかき消す、そんな一言。
わしは涙が出そうになった。
物心ついたときにはすでに政府に教育されてきたから、もう感情の涙なんて忘れていたのに。
わしらの感情を持たぬ鉛の心を、千尋はあの笑顔で優しく包み込んで溶かしてくれるような…。そんな気がした。
まわりを見れば、みんな鳩が豆鉄砲をくらったかの様な顔をしている。
わしは千尋に小さな声でありがとうと言う。
まぁ、その気持ちは上手く伝わらなかった様だが…。
ジャブラにもわしと同じ事を言われ、混乱している千尋。
そんな姿も愛らしい…。
一度自覚してしまった気持ちはもう抑えられない。
ジャブラやルッチと話す彼女を見て凄く苛つく。
ルッチに関しては毎朝コーヒーを持って来いだとっ？！
そんな事わしが許さん！
千尋のコーヒーを飲んで良いのはわしだけと決まっておるんじゃぞ！(←決まってません。)
千尋はと言うと、嬉しそうにニコニコしている。
…可愛すぎか。
まぁ、最後の長官に比べりゃなんともないがのぅ。
あれは死刑じゃな。
小話1 カリファさんとお買い物→←第26話 明るい夜に響く天使の歌声
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りんねむ(プロフ) - ぴのさん» すみません。ルールをよく把握していませんでした。今後はルール違反をしない様、今まで以上に注意を払って執筆をしていきたいと思います。この度はご指摘のコメントをして頂き、本当にありがとうございました。 (2019年5月26日 13時) (
レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 歌詞の引用は禁止されていますよ (2019年5月24日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - こんるりさん» コメントありがとうございます！そしてこの作品を読んで下さりありがとうございます。私も獣の奏者好きなんです！！これからも楽しんで頂けるように頑張ります(*^^*) (2019年3月10日 23時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - まだ読み途中ですが、コメント失礼します。雫私大好きなんですよ！ハープ弾きながらとか、獣の奏者のエリンを思い出しました！これからも頑張ってください！応援しています！！ (2019年3月10日 13時) (レス) id: 7bb9678102 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - リーラさん» 私も好きだったんです！ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年1月3日 23時) (レス) id: 4808652658 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんねむ | 作成日時：2018年7月30日 16時
