第14話 おかしなやつ ページ16
カクside
わしのの名前はカクじゃ。
CP9に所属しておる。
この間、いつも世話になっとる酒場の主人のところから、給仕の女が1人やってきた。
名前を千尋と言う。
出会ったときは侵入者かと思って取り押さえてしまったんじゃが、今はそんなことを忘れてしまったかの様に接して来てくれる千尋。
わしに優しいだのと言って来る始末。
全くおかしなやつじゃ。
普通の女なら怯えて話しかけて来ないか、媚びを売ってしつこく話しかけて来るかのどちらかなんじゃが、千尋はそのどちらでもなかった。
他のやつと、そこらへんにいる役人達と同じ様に接してくるのだ。
怯えてくるわけでもなく、媚びを売りにくるでもなく、ただただ普通に。
それがわしにとってどれだけ珍しい事か。
あいつは知らんのだろうな。
「なぁなぁ、俺この前千尋ちゃんに料理持ってきてもらえてよ！…めっちゃいい匂いだった。」
「まじかお前！いいなぁ！うらやま！」
今日もいつもの様に仕事を早く終わらせ食堂へ行くと、近くに座っていた役人達がそんな話をしていた。
ほおを緩ませ、チラチラとどこかに視線を飛ばしながら。
そしてその視線の先には他の役人と笑顔で話す千尋の姿が。
カ「……チッ」
わしは、何故かわからないがイラッとした。
……ので、
カ「千尋ー！！注文いいかぁー？」
わざと大きな声で千尋を呼んだ。
周りの奴らを睨みつけ、威嚇しながら。
こちらに気がついた千尋は、パァァアっと顔を輝かせ(た気がしただけ)、小走りでこちらへ向かってくる。
『カクさん！こんにちは！！ご注文ですね。何をお召し上がりなさいますか？』
カ「じゃあ、いつもの日替わり定食を頼む。」
『かしこまりました！少々お待ち下さい。』ﾆｺｯ
わしから注文を聞くと厨房の方へタタタっと走っていく千尋。そんな彼女の背中を見ていると、心が暖かくなる気がした。
『お待たせ致しました！今日の日替わり定食はデミグラスオムレツです！！』
セットのスープは皆大好きコンソメスープ！と笑顔で言う千尋。本当に可愛いやつじゃのぅ…。
その笑顔を独り占めしたいと思うわしはおかしいのじゃろうか…。
でも彼女は知らない…。
わしが、わしらがどんな任務をしているのか。
それを知ってしまったら、彼女はなんと言うじゃろうか…。
きっと、………いや、考えるのはやめじゃ。
知らなければいい話。
このままずっと、楽しい時間が続けば良い…。
千尋が笑っていてくれさえすれば、それで…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんねむ(プロフ) - ぴのさん» すみません。ルールをよく把握していませんでした。今後はルール違反をしない様、今まで以上に注意を払って執筆をしていきたいと思います。この度はご指摘のコメントをして頂き、本当にありがとうございました。 (2019年5月26日 13時) (
レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 歌詞の引用は禁止されていますよ (2019年5月24日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - こんるりさん» コメントありがとうございます！そしてこの作品を読んで下さりありがとうございます。私も獣の奏者好きなんです！！これからも楽しんで頂けるように頑張ります(*^^*) (2019年3月10日 23時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - まだ読み途中ですが、コメント失礼します。雫私大好きなんですよ！ハープ弾きながらとか、獣の奏者のエリンを思い出しました！これからも頑張ってください！応援しています！！ (2019年3月10日 13時) (レス) id: 7bb9678102 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - リーラさん» 私も好きだったんです！ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年1月3日 23時) (レス) id: 4808652658 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんねむ | 作成日時：2018年7月30日 16時
