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「そこ！隊列が乱れてるぞ」
「少し休憩させてくれ〜」
グリム君の嘆きは見事に打ち砕かれた。
日頃の鍛錬が足りないから音を上げるのだと言うアジーム君。
朦朧とする意識の中で、いつもの彼ならきっと直ぐに休ませてくれたんだろうなと思った。
「ごめんね」
「気にしないでください」
行進開始から何分過ぎただろうか。
暑さで頭は仕事を放棄し、足もふらふら。
けれども折檻されるのは勘弁なので出来るだけ列を乱さないように心掛けた。
必死に最後尾を歩く私を不憫に思ったのかユウ君が手を貸してくれて、何とか置いて行かれずに済んでる。
早く休憩したいなと思いながら足を動かした。
「全体、止まれ！」
はっきりとした音を耳が拾う。アジーム君の声だ。
普段とは違う筈なのに、どうして違うのか分からない。
「このオアシス、水が全部干上がっちまってるんだゾ！」
グリム君の叫びが遠くから聞こえてきたがその意味はよく理解出来なかった。
自分が思ってるよりも体力を消費したようだ。
浅い呼吸を繰り返して何とか熱の発散を試みたが、物事ってなかなか思い通りには進まないらしい。
体の中を一斉に血が駆け巡り、頭が沸騰している。
視界までぐるぐるしてきた。
あ、でもアジーム君の声がする。
いつもの綺麗な音が、鳴っている気がする。
「しっかりしてください！」
ユウ君が私の視界に入ってきたかと思えば、何やらおかしな顔をする。
「ごめ」
「おっと」
急に体の力が抜けた。
それと同時に、誰かが私を支えてくれたみたい。
声色からしてバイパー君だろうか。
「バイパー君」
「じっとしてるんだ」
再びごめんと開きかけた口を彼は制止した。
彼にもユウ君にも、ちゃんと目を見て謝りたかったんだけどな。
「目が覚めました？」
「うん…」
またひょっこりと顔を出したユウ君。
回らない頭で、あの後自分はどうやら寝てしまったのだと察する。
寝起きはどうも思考が鈍るんだよねえ。
「軽い熱中症だったみたいです」
眉毛を下げる彼の声は心配の音を含んでいて、とても申し訳ない気持ちになった。
アジーム君の言う通り、私には鍛錬が足りていなかったのだ。
「Aもオレの水飲んだらきっと元気になるぜ！」
「ありがとう」
彼が差し出してくれたお水を受け取り、喉を潤す。
そして、その美味しさに口角が上がる。
さっき私が聞いた声は聞き間違いじゃなかったみたい。
今の彼は、いつものアジーム君だ。
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りん(プロフ) - ふわなさん» ありがとうございま😭劇遅亀更新野郎ですが、頑張ります！！！！ (2021年11月16日 21時) (
レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - とっても面白い作品ですねヾ(≧▽≦*)o更新楽しみにしております！ (2021年11月16日 13時) (レス) @page34 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます！！！！わかりにくかったかなーと思ってたので、嫉妬してるところ伝わって嬉しいです😂 (2021年11月13日 20時) (レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)リドルくんの嫉妬とか可愛いです(●´▽`●) (2021年11月12日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 花束さん» ああああああ！お返事遅くなって申し訳ないです！ありがとうございます😭😭そう言ってもらえて凄く嬉しいです！更新、暫しお待ちを！！ (2021年10月15日 21時) (レス) id: 35357c875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月15日 18時
