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「本日はここまで！」
アジーム君の号令を聞き、私は地面にべったりお尻をつけた。
もうへとへと。疲れた。少しも動きたくない。
今度こそ身を潜めて居ようと思ったのに吃驚するくらい直ぐ見つかった。
もしや初めから目を付けられてたんじゃないかって疑いたくなるくらい瞬殺だった。
早くお部屋に帰りたい。
寮生達も乱れた呼吸のまま、立ち去る彼を見つめている。
前はこんな事する人じゃなかった。
みんな口を揃えてそう言うのだ。
「何だかアジーム君じゃないみたい」
「きっとスカラビアの成績が奮わなかった事に責任を感じているんだろう」
「でも流石に様子がおかしいよ」
先程の彼はまるで別人のようだった。
だってあんな横暴な言い方は見た事が無い。
「俺も今のカリムとどう接したものかと困り果てている」
彼を慕っていた寮生達も戸惑っているのだそう。
あんなに優しさ溢れる彼が急に無茶な事を言い出せば、混乱するのも無理はない。
「ハーツラビュルのトレイといい、副寮長ってヤツは苦労するんだゾ」
「それはちょっと私にも刺さるかな」
両手でそっと耳を塞ぐ。
いつも申し訳ないなとは思っているのだが、結局は先輩を頼ってしまうんだよね。
「そうか…君達こそ、"ダイヤの原石"なんだ！」
「何て？」
疲れで頭が混乱してるのかな。
ちょっとよく分からない単語が聞こえた気がする。
「君達は様々な寮の問題を解決に導いた優秀な生徒だと噂で聞いてる」
「何だって？」
いや、頭が可笑しくなってるのは彼の方だった。
疲れたなら休むべきだよ、きっと働き過ぎなんだよ。
普段も大して役に立たない私の脳味噌が考える事を放棄したらしく、一層使い物にならなくなった。
でも優秀だと言われ喜んでるグリム君は可愛い。
「どうか俺達スカラビアの力にもなってくれないか」
バイパー君の頼みに、彼が瞳を丸くする。
確かに食堂で偶然出会ったのは運命なのかも知れない。
しかし此方としては無闇に首を突っ込むのも気が引けるのだ。
まあ私はおまけなんだろうけれど。
何より、可愛い子を困らせたらだめなんだぞ。
「君は…俺達を助けてくれるよな？」
渋るグリム君を他所に、ユウ君を真っ直ぐ見つめるバイパー君。
此処へ来る時は二つ返事で受け入れていたグリム君でさえ今回の頼みは断った方が良いと言ってる。
けれど、ユウ君は承諾してしまったのだ。
バイパー君の瞳が怪しく歪んだのを私は見逃さなかった。
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りん(プロフ) - ふわなさん» ありがとうございま😭劇遅亀更新野郎ですが、頑張ります！！！！ (2021年11月16日 21時) (
レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - とっても面白い作品ですねヾ(≧▽≦*)o更新楽しみにしております！ (2021年11月16日 13時) (レス) @page34 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます！！！！わかりにくかったかなーと思ってたので、嫉妬してるところ伝わって嬉しいです😂 (2021年11月13日 20時) (レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)リドルくんの嫉妬とか可愛いです(●´▽`●) (2021年11月12日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 花束さん» ああああああ！お返事遅くなって申し訳ないです！ありがとうございます😭😭そう言ってもらえて凄く嬉しいです！更新、暫しお待ちを！！ (2021年10月15日 21時) (レス) id: 35357c875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月15日 18時
