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「わあ…！」
雲の上まで昇った先に広がっていたのは、見た事もない景色だった。
月も大きく輝いていてとっても綺麗。
「星がダイアモンドみたいだ」
「うん、きらきらしてる！」
私とグリム君は大はしゃぎで辺りを眺める。
いつも低空飛行を極めていたから驚きが止まらない。
大空から眺める世界がこうなっていたなんて！
「身を乗り出したら危ないですよ」
「はぁい」
伸ばしかけた手をユウ君に阻止された。
此処にある雲は何故だか触れそうな気がして、試してみたくなったのだ。
「空を自由に飛び回るってると、小さな悩みなんか全部どうでも良くなるんだ」
「アジーム君でも悩みは有るんだね」
とても大らかな人だから、色々気付いてない事が多いのかなって勝手に勘違いしてた。
「ジャミルも、もう少し気楽に生きれば良いのにな…」
きっと今まで色んな事が有った筈だ。
毒を入れられたり誘拐されたり、私達じゃ考えられないような体験をしてきたと言っていたのだから。
それなのに、ああまで優しい理由がやっと分かった。
彼は選んでそうしていたのだ。
何度危険な目に遭っても周りを疑わないという選択。
能天気な性格だと言われればそれまでだが、もしも敢えてそうしようと決めたのなら彼は誰よりも俯瞰している。
…完全に私の憶測に過ぎないんだけどね。
「あっちの川の上、見たことない鳥が飛んでるんだゾ！」
「よし、見に行ってみるか！」
ふたつの心地良い音色が耳を擽った。
後ろでこっそり微笑んでいるとユウ君が首を傾げたのが分かり、視線を合わせる。
「二人を見てると何だかほんわかするなぁって」
「確かに毒気は抜かれますよね」
弟妹が多いからか、グリム君の扱いも手慣れて見える。
それに彼も末っ子気質だから案外合うのかも。
まあアジーム君は偶に人の話聞かなくなるけど。
「ユウ君って毒あるの？」
「人並みには」
「えぇ、嘘だぁ〜。全然聞こえないもん」
騙されないぞと威張って見せたら、彼は少しだけ固まってから小さく吹き出した。
変な事を言ったつもりは無いので内心慌てる。
「それは相手が先輩だからですよ」
ふわっと微笑んで前を向いたユウ君。
貶しや呆れは勿論含まれておらず、矢っ張り心地の良い音色が宙を舞う。
聴き入ってるとグリム君が私達の袖口を引っ張りながら指を差した。
「うまそーな雲なんだゾ！」
彼の可愛らしい表情に心を打たれ、ぎゅうっと抱き締めた。
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りん(プロフ) - ふわなさん» ありがとうございま😭劇遅亀更新野郎ですが、頑張ります！！！！ (2021年11月16日 21時) (
レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - とっても面白い作品ですねヾ(≧▽≦*)o更新楽しみにしております！ (2021年11月16日 13時) (レス) @page34 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます！！！！わかりにくかったかなーと思ってたので、嫉妬してるところ伝わって嬉しいです😂 (2021年11月13日 20時) (レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)リドルくんの嫉妬とか可愛いです(●´▽`●) (2021年11月12日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 花束さん» ああああああ！お返事遅くなって申し訳ないです！ありがとうございます😭😭そう言ってもらえて凄く嬉しいです！更新、暫しお待ちを！！ (2021年10月15日 21時) (レス) id: 35357c875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月15日 18時
