7 ページ7
何、混乱すると口を滑らす魔法にでも掛かってるの?
だから人と会話するの苦手なのか訊かれるんだ。
「えっとね、違うの。特に深い意味は無くて…」
一人であたふたしていると、彼が小さく笑った。
「そんなに慌てないでください」
「すみません…」
上級生でありながら年下にまで気を遣わせる私って普通にだめな人だと思う。
だからリドル君に溜め息吐かれちゃうんだよ。
でも、ハートの女王が作った法律を全て覚えるのは流石に無理があるよ。
私は自発的に此処へ入学しに来たわけじゃない。
元から特に興味があったわけでも、グレート・セブンを敬愛してるわけでもないのだ。
これ言ったら絶対怒られるから言わないけれど。
そうなの。怒られちゃったの。
まず彼らの事を詳しく知らなくて、ちらりと訊いてみた。
リドル君に。
早まった行動をしたなって今の私なら思うけれど、その時の私は話せる人ができて浮かれていたのだ。
だって二ヶ月だよ!ずっと話し掛けず掛けられずの生活を繰り返してたんだよ!
彼とは訳あって知り合ったのだが、それでもこうやって仲良くなれた事が嬉しい。
本当に嬉しかったの。
でもまあ怒られましたけどね。
尋問かなって感じるくらいそれはそれは質問の嵐でしたけどね。
いや、怒られると言うより寧ろ心配されてた気さえする。
何故それで二ヶ月生活してこれたの、と訊きたそうな顔をしていた。
でもね、私の言い分としては、まず此処に飛ばされた事が最大で最悪な出来事だったから心を無にして生きてきたの。
それさえ乗り切ればあとは流れでどうにかなるだろうと、そう思ってたの。
要は全てがどうでも良かったんだよね。
両親が何を思って此処に入学させたのかも、学園長が何を企んでいるのかも、どうでも良くなっちゃって。
取り敢えず四年間の辛抱だと思う事にした。
もし、その理由を教えてくれてたら少しは意欲的に学園生活を送れたかもしれないのに。
…周りはどっちにしても嫌だろうけどさ。
「先輩?」
「あ、ごめんね、ぼうっとしてた」
「それにしてもあのエースってヤツ、遅いんだゾ」
グリム君が愚痴を零す。
先程、気になっていた質問をしてみたら狸じゃないと怒られてしまった。
そっか猫ちゃんだったのかと呟けばまた違うと言う。
どうやらグリム君自身、そういう括りで考えた事は無いらしい。
「えーす…?」
「もう一人の罰則相手です」
「オレ様達を馬鹿にしてきたんだゾ!」
…此処の生徒だって感じ。
363人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして!そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです!ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります!ありがとうございます! (2020年9月27日 0時) (レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りん | 作成日時:2020年8月27日 15時