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今回は間一髪で助かったから良かったものの…と隣の子に怒られてる私。
此処が階段だからより彼の怒りを買っているんだと思う。
確かにぼんやりしてた。
でもこの時間帯はどうしても思考が鈍るんだよねぇ。
「ごめんなさい」
「…兎に角、気をつけるように」
「はぁい」
この学園はどうして夜明け前に入学式をやるんだろうか。
別に朝で良いじゃん。
それからお昼前に終わってくれれば良いじゃん。
お陰でこっちは寝不足だよ。
なんて苦情を式典前日に入れた。学園長に。
貰った返事は、"それが伝統なんです"。
因みに昨年もその話をしたそうだけど覚えてない。
「アジーム君のお尻、大丈夫かな」
物凄く熱そうだった。
酷い火傷してないと良いけど…。
「彼にはジャミルが居るんだ。心配は無い」
「バイパー君の負担も凄そうだけどね」
なかなか感情を表に出さないから何を考えてるのか全然読めないんだよね。
偶にちょっと怖い雰囲気になるのは内緒にしてる。
もし他の人には知られたくない事だったら申し訳ないから。
その代わりと言ってはあれだけど、少しでも怖いなって思ったら直ぐ逃げるように心掛けてる。
「おい聞いたか？今朝、新入生がグレート・セブンの石像を燃やしたんだと」
すれ違った生徒同士の会話から不吉な単語が聞こえた。
どうやらその犯人は、入学式で暴れ回ってた黒狸ちゃんらしい。
学園長の耳に入ってなければ良いけど。
なんて無理な願いだ。
あの人から聞いた話じゃあ、例の彼は異世界の人間なのではないかって。
だから帰る方法が見つかるまでは黒狸ちゃんと一緒に使われてない寮で暮らしてもらうって。
という事は、巻き込まれてる可能性が大きい。
だって魔法使えないようだから。
その新入生は罰として授業後に窓拭きするらしい。
…会話、盗み聞きしちゃった。
「大丈夫かな」
一年前の自分を思い出すと、彼の安否が気になる。
だって初日から引き籠ろうかなと考えちゃうくらいお手上げ状態だった。
通いたかったわけでもない学園に放り出され、周りは男子生徒と男性職員しか居ない。
多分あのままだったら完全に気が狂ってた。
だから心配なのだ。
彼らの会話から推測するに、二人と一匹が窓拭きを命じられただろう。
大食堂の窓って百枚くらいあるって聞いた事ある。
幾ら罰則といえど多過ぎだと思うの。
自分は優しいって言ってたけど、あれは嘘だったんですね。
まあ学園長がそういう人なんだって事は前から知ってましたけどね。
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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
