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「正確に言えば、この二人が、ですけどね」
我が寮の後輩達を見ながらユウ君は言った。
「成り行きでそうなりました」
「ス、スペード君、正気？」
「はい」
威勢の良い返事だなぁ…じゃなくて。
そんな元気に頷かれても困っちゃいます。
覚悟決めましたみたいな顔されても困っちゃいます。
「あの、詳細を…」
取り敢えず苦笑いで頬を掻いてるユウ君に助けを求めた。
学園内で一番まともなのは彼だと思ってる。
何か起こったら、まず彼に訊けば何とかなると思ってる。
それに、他の人は個人的に避けたいのです。
出来る事なら一定の距離を保っていたいのです。
「全ての元凶は学園長というわけですね」
「A先輩…背後から禍々しい空気が…」
「あの人にはよーく言い聞かせておきます」
にこりと笑いながら告げたのに、三人は顔を痙攣らせた。
何も視線逸らす事ないじゃない。
スペード君に至っては天井を見上げてるし。
居た堪れない空気を変えようと部屋の中を見回せば、グリム君がすぴすぴ鼻を鳴らしながら眠っていた。
大人しかった理由はこれか。
そういえば、此処に入るのは初めてだっけ。
趣が有るとか何とかって聴こえの良い言葉に逃げる学園長は何度も見かけたけれど、内装はこうなっていたのか。
これは何と言うか…。
「…草臥れてる」
そう、草臥れてる。
炭鉱にあったお家より状態は全然良い方だが煤や蜘蛛の巣だらけ。
鼻がむずむずするのも頷ける。
お掃除する時があったら私も参加しようかな。
「丁度これから明日の作戦会議をする所だったんですけど、何か良い方法とかありますかね」
スペード君が難しい顔をして私に尋ねてくる。
「うーん…」
正直、力になれるか不安だ。
だって私は彼の事を全然知らなかった。
知ったつもりでいたんだ。
「そういえば、何でこれ知らなかったんすか？」
トラッポラ君が自身の首に嵌められた飾りを指差す。
「彼のユニーク魔法は相手の攻撃を封じるものだと思ってたから」
対象の動きを止める能力なんだと勝手に思ってた。
でも、今日の出来事で痛感した。
彼が魔法を放つ時は、いつだって私から少し離れた所に居た事を。
それについて詳しく訊こうとしたら、彼に似合わない曖昧な言葉で返ってきた事を。
当時は特に気にしてなかったの。
だって、誰にでも知られたくない事くらいあるから。
でも今になって思う。
私は思ったより疎まれていたのかもしれないと。
勘違いをしていたのかもしれないと。
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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
