Curtain call. 〈Hokuto.M〉 (ページ16)

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秒針の音が響くこの部屋。ソファーから身動きもとってないから、余計に音が大きく聞こえる。

明日、北斗と一緒に出かけるんだ。佳奈は今頃私たちがこうなってるって知らないんだろうなぁ…って、当たり前か。静岡でもみんな元気かな。

「お風呂、もうすぐ沸くよ」
『うん』

北斗の洋服が変わっていることに気づいて、服に目線がいく。ニットっぽいのを着ていて、いかにも暖かそう。

『北斗、大きくなったね』
「そりゃあね笑もう6年経ったんだから」
『うん笑身長どんくらいになったの？』
「170後半くらいかな？最近測ってないからわかんないけど」
『そうなんだ。』

隣に座っている北斗。手はお互いソファに置いているからか、少し伸ばせば届く距離。もちろん、そんな勇気私には無くて。

「あのさ、俺さっき＿＿」

口を開いたと同時に、お風呂が沸いた音がする。
ふたりとも「あ」っていう表現を浮かべた後、笑い合う。

「お風呂こっちだよ。着いてきて」
『ありがとう』

北斗がこの時何を言おうとしたのか分からないけど、多分これ言われたら心臓持たない系だと思った。ただの予想だけどね。