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『ごめん、ハンカチありがとう』
「うん」
理由もわからなくて、ただ涙が溢れていたのを北斗が優しくハンカチで拭う。ちょっとドキドキ…。
あの時の気持ちを今こうして伝えられていて。
嫉妬とかしていたのが全ていい思い出に変わってくる。
「あの…さ、変なことなんだけどド直球に聞いていい？」
『？ うん』
「Aは今、俺のこと好き？」
言葉も出なくて、目を見開いて右に視線を上げると、「あ、いや、その」とあたふたする北斗。それがなんだか可愛くて笑い声が出る。
「…あ、笑った」
『ん？』
「さっきから全然笑ってくれないからさ。」
笑った顔やっぱり似合うよ、って私の中で爆弾を落とされたと同時に、頬をつねってくる。
『いはい(痛い)』
「ふっ…笑」
『今笑ったよね？』
「笑ってないし〜」
『ふっ、って聞こえたけど！』
誰もいない公園で、ふたりで笑い合う。
さっきまできごちない感じだったのが嘘みたいだった。
6年ぶりでもこんなノリで会話できる、その関係性が一番。友達以上だけど、恋人未満というところだろうか。
充分笑った後、北斗が言った。
「俺さ、Aのこと今でも好きなの」
『……えっ！？』
「うん。転校しても、Aのこと頭から離れなかった」
この目、本気の目だ。ここで虚言を吐くのも違う気がするから、今彼が言っていることは本当。
「昔は両片想い、今は俺の一方的な片想い…そんな感じ」
『ん…』
「俺のこと好きになってとは言わない。だからせめて…連絡先交換しよ」
『あれ！？交換してなかったっけ』
「うん、してない笑」
『そうなんだ…』
QRコードを読み込んで、北斗のプロフィールが出てくる。
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作者名：Ｙ | 作成日時：2022年12月5日 17時
