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太宰side
「密君、これよろしく頼むよ」



私がそう云うとこくりと頷き頼まれた事をこなす彼



フードを目元位まで深々と被っており、顔はマスクで見えない
服装は黒色のパーカーにジーパンというシンプルな格好だ
なぜかパーカーは体に合ってなく大きいが...
フードから少し出ている髪は白色で毛先が黒っぽい
まるで芥川君の逆バージョンのようだ




初めて彼を見た時は変わってると思った
話しかけても喋ってくれず
いつも黙っていた
おかげで最初は男性か女性か分からなかった




「密、この報告書のことなんだが___」




国木田君が話しかけてもやはり彼は何も云わない
その代わりメモ用紙に何かを書いて国木田君に見せる



___さっき云った事は訂正しよう
彼は話さないのではない
“話せない”のだ



昔とある人間に喉を潰されたそうだ



実を言うと『密』という名前は本名ではない
彼はなぜか本名を名乗ってくれない
戸籍も調べてみたが何も情報はなかったらしい
だから秘密という文字から『密』という字を取ったというわけだ
本当に謎に包まれている...
下手したら私よりも謎が多いのではないだろうか



とまぁ彼の紹介はこのくらいにして...




「敦君、密君、そろそろ任務の時間だよ」


「あ!そうですね!
行きましょう密さん」

『コクリ___』



敦君の言葉にも頷くだけだった









.

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作者名:日向夏 | 作者ホームページ:http://gokutozihen  
作成日時:2019年7月9日 19時

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