プロローグ ページ1
光のささない真っ暗な部屋に、私はいた
きしむ骨と熱をもった傷口、重い体と私の首と四肢に絡みつく鎖
…そのすべてが、私の行動を制限していた
暴力を振られる以外にやることのない私はいつも通り丸くなって親が来るのを待つ
が、今日はなんだか騒がしい
不思議に思って円を展開してみると複数の人間が引っ掛かった
この家はそんなに大きくないから、使用人もいない
両親と私の3人しかいないのに、なんか今日は人が多くないか
…あ、誰か来るな
ガターン!!!と大きな音を立ててドアが蹴破られた
そこにいたのは見眼麗しい銀髪の青年…ストレスで白髪になった私とは大違いだ
というか外の光まぶし…
「…貴女は、この人たちの身内ですか」
彼は少し固まっていたが、すぐに写真を取り出した
写っているのは両親の姿
小さくうなずいたら彼は困ったような顔をした後、そうですかとつぶやいた
しばらく考える仕草をした後、私を見てそっと息をはく
「ここで私に殺されるのと、生きられる代わりに何かしらの条件がつくのと…どちらがいいですか?」
『…何もしてないのに知らない人に殺されるくらいなら、条件が付いてでも生きたいですね』
当たり前だろう、という顔で答えると彼はきょとんとした後に小さく笑った
「わかりました」
その言葉と同時にガシャンと音を立てて全身の枷が外れる
体が軽い…!
「では、いきましょうか」
ふわりと抱き上げられて部屋の外へと連れ出される
扉の先には、息絶えた両親と何人かの警察がいた
「その子は一体?」
「保護しました。この子については私が引き受けるので、貴方達は後始末をお願いします」
「「はい!」」
返事を背に受けてこの人は歩き出した
久々に感じた体温と穏やかな揺れに安心したのか、少しずつ瞼が落ちてくる
「眠ってもかまいませんよ。大丈夫、危害は加えません」
そっと髪をなでられたのを最後に、私は完全に眠りに落ちた
それから二年__私は今
「72時間以内に生きてでること、それが三次試験の内容です!」
トリックタワーで囚人(身代わり)をやってます
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