泣けるほどに愛しくて。

３９* ページ40

その時。





結弦の目つきが一瞬にして変わった。




ギラリと光った。





あまりの迫力にゾッとした。





「ゆづ…る？」






結弦が私の両肩を掴んだ。






「ん……っ……」






.






.






私……今なんで






.






.






.





.





.






.






結弦に口付けをされているの？






「んっ…んんっ………」





.






初めてのキス。





.






ファーストキス。





.






それは…たった今世界一の氷上の王子様に瞬時にして奪われた。





.






とろけてしまいそうな甘い甘い口付け。





私を逃がさせないとばかりに強く摑まれる肩。






口付けを何度も繰り返されて






胸が破裂しそう。







「…んんっ…はぁっ」






息が苦しくなって唇を開いた時に





「……はぁ…んっ！？」





一瞬で私の口の中に何かが入ってきた。







「んっ…んんっ…ふぁっん…………」







喉元から湧き上がってくる甘い甘い声が、私のものではないような気がして……。






私が結弦に完全に堕ちそうになった時







バン！！







「A！」








.







二人だけの甘い世界に割り込んできたのは






真弓だった。

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