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――テスト最終日
来ない光岡を先生が迎えに行って、開始より少し遅れて先生に投げ飛ばされた光岡が勢いよく入ってくる。
ごめんと頭を下げる光岡に、結衣とももが、そしてみんなが大丈夫だから早く席についてと催促する。
泣きそうな顔で光岡が席についたところで、明智が口を開いた。
「先生、光岡待ってたの、俺らの賭けのためですからね。全員で国語の点数上げたらっていう」
「ああ〜はいはい、それね」
案外こいつもしつこいなと思う。
だけどそんな明智を気にせずに先生は「じゃあ、カンニングしろお前ら！」と言い放った。
予想外すぎて思わず下げていた顔を上げてしまう。
「点数下がったらかわいそうじゃん？だから国語は、カンニングオッケーにしようかなって」
田中先生も驚いて原田先生を止めようとする。
呆気にとられるクラスメイトと、納得のいかない明智。
「それだと先生、賭け負けで言うこと聞かないといけなくなっちゃいますよ？」
「どーんとこい！」
そう言って笑う先生はチョークを持って黒板を向いた。
「先生！…俺らそんなことしなくても点数下がらないと思いますけど」
苛立った明智が声を荒げても、サービスだからといよいよ答えを書こうとする先生。
ぶっちゃけ点数なんてどうでもいいけど、答えの分かる状況でテストを受ける気にはならない。
どうしたもんかなと頬杖をつけば、明智が立ち上がってドンッと机を反対向きにした。
後ろ向きに座った明智が問題用紙を捲くってテストを解き始める。
はっと短くため息をついて明智に習うように私も机を後ろへ向けた。
問題を解き始めれば少ししてガタガタと机を動かす音が聞こえ始める。
遅れて、私の後ろの机が動いた音が聞こえた。
ふざけんなよ牛久保。なんて。
――
―――
「なあ今日ラーメン行かねー？」
無事テストも終わってみんなが帰りだす。
バイトが休みなのでゆっくり帰る準備をしていれば、東条の筆箱に駒井が当たって床に落ちたのが見えた。
駒井は気づかないまま。
どうやら東条と明智の溝は、周りにまでうつっているみたいだ。
「はい」
一緒にしゃがんで散らばっている筆記用具を拾い上げる。
「さんきゅ、」
暗い表情だった東条が、ほっとしたように笑ったのを見て、じゃあねと別れを告げた。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
