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桜も咲き誇り、
新しい制服に身を包んだ中学1年生の春、
私は父親のモノになった。





「っや、だ…ねえ、お父さ……っ、」




黙ってろと言わんばかりに口を塞がれ声が出せない。
光を失った父親の目も、力一杯に私の口元を抑える手も、体を弄る指先も、全てが怖くて、気持ち悪くて。


季節が巡る度に段々と丸みを帯びてくる身体が、いやで嫌で仕方がなかった。
女に産まれたって、いい事なんてひとつもないと、自身を恨んで恨んで、明日なんて来なければいいのにと願い続けた。




「な、にやってんだよ……!」
「しゅう、……お母さん……っ…」
「A……あなた、」



見ないで、見ないで、そんな、冷たい目で見ないでよ…。
中学2年生の夏、茹だるような暑さの夜、父親は消えて、一緒に泣いてくれる幼馴染と、人一倍体裁を気にする母親だけが、私の元に残った。






泣いて泣いて逃げた先、
夜の熱に浮かされた慰めは、
間違いなんかじゃないと思いたいけれど、まだ未完成な私達には正解なんて分からなくて。




「Aは、そのままでいいんだよ」
「秀一と、一緒がいい…」




ねえ、いつだって私達は、
お互いの傷を舐めあって生きてきたね。


周りから見ると、
滑稽でおかしな関係だったのかな。
それでも背伸びをして貴方と見た景色は、このつまらない世界でただ一つだけ、色付いて見えたんだよ。







「俺にお前は、いらない」



中学3年生の冬、震える体と悲しみに零れた涙は、あの夜よりも随分と下がった気温と降りしきる雨のせいにして、私はただ彼の放った言葉を精一杯、呑込もうとしていた。




春が美しくても、
どうか貴方に、そばにいて欲しい

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ハル - すごく大好きです!更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます! (6月16日 0時) (レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
- すごくはまってしまいました! 続きも楽しみにしています! (6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なー | 作成日時:2019年6月2日 21時

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