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「お疲れ様でした」
２２時３０分、コンビニでのバイトを終えて帰路に着く。
春とはいえまだ少し肌寒くて、カーディガンを羽織った腕をさすりながら歩いた。
すぐそこに見えてきた自分の家の窓に灯りがついていることを目にとめ、溜息を吐いてくるりと踵を返す。
電気が消えるまで時間を潰そうと小さい頃からよく遊んでいた公園へと足を向ける。
日付も変わろうとする時間、いまここに、存在しているのは自分だけだと思わせるような静けさ。
「ねむっ…」
今日は、始業式だった。
間違って入れてしまったバイトのために学校を休んだけれど、ぶっちゃけ毎日バイトでもいい。その方が楽だ。勤務時間長いけれど。
春休みで不規則になった生活に、早く寝ないと朝、寝坊するかなと思いながらも一向に帰る気は起きず。
暗闇にぼんやりと浮かぶ桜に目をむけ、こんな時間の春は流石に何も色がないなと考える。
―――「俺にお前は、いらない」
「っ…」
あの日もそう、廃れた色をしていた、寒い冬の日だった。
冷たい彼の目に、竦んでしまって追いかける事すらできなかった夜。
まあもう、関係のないことだけれど。
夜は、余計な事まで思い出してしまう。
考え込みそうになり頭を振って、すっかり冷え込んでしまった真夜、そろそろ帰るかと、重たい腰をあげた。
―――
――――――
「…寝坊です、っと」
今日も休み？と友達から送られてきたメールに返事をする。
結局今日は寝る時間が遅かったせいで、寝坊した。
もうホームルームには間に合わないなと諦めて、ゆっくりと支度を始める
まあ元より、急ぐ気なんてこれっぽちもないのだけれど。
慣れた手付きでネクタイを結んで白いラインの入った紺色のセーターを上から被る。
寒いのは、苦手だ。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
