パパはカッコいいと思われたい【安室透/降谷零】

◆ ページ10

歩「Aちゃんのパパ、イケメンさんだよね！」

「ありがとう！歩美ちゃんのパパもカッコよかったよ！」




降「なっ！俺は

風「歩美ちゃんのパパ"も"カッコよかったと言っていましたよ。降谷さんの事もカッコいいと思っているという事です」

降「友達の父親をカッコいいと思う時点で問題だろ！」

風「自分のパパをイケメンだと言われれば、相手のパパも褒めるのは至って正常なコミュニケーションの範囲内です」

降「...それならあの子供が

風「あのお友達がおかしいと思うのなら、今すぐご自身のお顔を鏡でご覧下さい。言葉通りイケメンが現れると思いますので」



全く...
何故上司と小学一年生の女児二人を付け回しているのか

もう次の角を曲がれば小学校の校門

正直なところ、一年生の女の子で、もうこのようなガールズトークをする事には驚いた
まぁ、今時小学生でも彼氏だの彼女だのマセている子はいると聞くからな...



歩「あ、光彦くんと元太くん！おはよ！」

元「おう！」

光「おはようございます！」



降「っ！男！？」

風「じゃなくてお友達です」



これではまるで浮気現場を調査しているようだ
Aさんが幼稚園に通われていた頃は、降谷さんもここまで敏感ではなかったと思うのだが...
一体またどうして



降「娘に手を出したら絶対許さな

風「Aさんは無事に登校されました。仕事しますよ」





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大量の書類に埋もれ確認する時間は

もう12時か...
まだ給食の提供が始まっていない為に、そろそろ放課なはず

帰りたい
Aの事が気になる
初めての下校、変な友達に惑わされずにちゃんと帰って来るか
変質者に話しかけられてないか
そろそろお腹も空いたんじゃないか

目の前には何度切り替わっても愛しさしか表示されないデジタルフォトフレーム

...可愛い
これも可愛い
これもこれも可愛い

俺の娘は世界一可愛い
絶対誰にも



風「仕事して下さい、降谷さん」

降「はっ、おい！」

風「終わるまでこちらは没収です」

降「お前...！今すぐそれを返さないと明日から地方に飛ば

風「ではこちらも一緒に地方に持っていきます」



...ふざけている
娘の可愛さ無しに仕事など頑張れるわけが無いだろ
帰りたい
今すぐお帰りのチューが欲しい

やけに生意気になった年上部下に持って行かれたフォトフレームに思いを馳せながら、


...仕方なく開いたのは携帯の写真フォルダ
ぬかったな、風見

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