◆ ページ9
「行ってきまーす!」
降「き、気を付けて行くんだぞ...」
言葉を終える前には、黄色い帽子と赤いランドセルがすり抜けて閉まっていた扉
...まずい
一睡も出来なかった
風呂で共に暖まった後は、同じ寝室でその頭を乾かしパジャマを着せ、少し話をしながらその寝息を聞くのが日課だったというのに
新しい家具に溢れた部屋でパジャマを着せると、"パパおやすみ!"と
まるで追い出されたような感覚に落ち着かなくなり、本当にちゃんと眠れているか、怖い夢を見てしまっていないか、おねしょをしてないか等と何度も何度もその部屋に通った
だがそこにあったのはぬいぐるみに囲まれながらぐっすり眠る可愛い寝顔で、最終的には朝も自分で起きられてしまい
おかげで、"お風呂も自分で入ってみるか?"なんて恐ろしい事など言えなくなってしまった
玄関の扉を開けて、外廊下の柵から見下ろすと小さな黄色と赤が進んでいくアスファルトの上
...世の中一体どれ程の親が、この光景を微塵の寂しさも無く見れるのだろうか
・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
風「...降谷さん?」
降「っ」
風「何をされているのですか...?」
今朝仕事の用事でご自宅に伺うと、なぜか帽子にマスクといった格好で玄関から出て行かれた上司をまだ停車中の車内から見つけた
不思議に思いその背を追いかけてみると
降「...いや...」
50m先前方には大きなランドセルを背負った女の子が二人が横に並んで
風「...まさか尾行ですか?」
降「.....」
風「お気持ちは分かりますが、不審者として通報されますよ」
降「自然な尾行も出来ない程俺は劣ってな
風「こんな事に"ハム"のスキルを使わない下さい。それに、帽子にマスクに充分怪しいです」
あのショートヘアの女の子が、昨日Aさんが言っていた"あゆみちゃん"だろうか
早速お友達が出来て私はとても嬉しいが
降「...あの女児も、本当にAが一緒にいて安全な子か分からないだろ。危険な事にAを引き入れる可能性もあれば、父親が幼女好きの変態かもしれない。俺がそばに居てやれない分そう言った事はちゃんと
風「降谷さん...ご自分が今他人の目にどう映るか分かりますか?」
降「.....」
風「幼女好きの変態にしか見えませんよ」
降「...そ、それでも俺は娘が心配で
風「Aさんが知ったら間違いなく気持ち悪がられると思います」
降「っ、キモい...?パパキモい...?」
風「...降谷さん?」
565人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たろ。(プロフ) - 親バカ割と迷惑で笑うww更新楽しみにしてます! (2022年3月21日 17時) (レス) @page20 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
ハナノアナ!(プロフ) - 更新楽しみに待っておきますね!💜❤💙💚 (2021年11月10日 0時) (レス) @page18 id: ccc7628059 (このIDを非表示/違反報告)
雪葵(プロフ) - 修行、頑張って下さい!!!! (2021年10月30日 18時) (レス) @page18 id: 6d1560da95 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - Rinさんの作品どれも大好きです。いつも楽しく読ませてもらってます。帰って来るのをずっと待ってます。 (2021年10月27日 3時) (レス) @page17 id: 8b5d31fef6 (このIDを非表示/違反報告)
玖欄(プロフ) - いつも作品楽しく読ませてもらってますよ。面白いですよ〜。自信持って下さい。帰って来るのを楽しみに待ってますね。 (2021年10月26日 14時) (レス) @page17 id: 6fb014f278 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Rin. | 作成日時:2021年10月18日 22時