公安警察、辞めさせて下さい 2【安室透/降谷零】

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降「おい！」

「は、はいっ！！」



突然の大声にパッと目を開け顔を上げ、飛び込んで来たのは眩しい太陽の光
シートベルトに支えながらしてしまっていたうたた寝...

しょうがないじゃん...
もうしばらくちゃんと寝れてないんだもん...

朝方、始発でヘトヘトになりながら帰ったら
最寄りからアパートの道中で、隣に白い車が止まって
"今帰ったのか？"って

流石に疲れすぎて"うわイケメン"としかその時は思えなかったけど
気付いたらさっきの朝だった

それでそのまま慌ただしい朝食を食べさせられて、
"出掛けるぞ"って超高速で支度する羽目になって、
どこへ行くのかも聞けないまま車に乗り込んですぐ夢に落ちたから

全く冷静に状況を分析出来てない



降「垂れてるぞ」

「え？垂れて...っ、ああ...！」



本当に何もかも訳が分からないままその言葉に自分自身を見渡すと、スカートの上にコイン大の濃いシミ
...いくらサイコパスと言えど、好きなイケメンの前で何たる失態
寝顔だけでも充分なのにヨダレって...



「み、見なかった事に...」

降「車を汚してくれなかっただけ別にいい」



...優しいのか優しくないのか分からない
漫画やアニメ、いっそドラマのイケメン達はこういう時女の子の服が汚れちゃった事を気にしてあげるとか
何なら"そんな君も可愛いよ"とか

そういうの全部置いといて愛車の心配...
色々脈アリかもとか思ってた自分が馬鹿みたい
無理じゃん、サイコパスじゃん

と考えてた私は、この車の行き先でまた同じ考えをする事になる

多分明け方車で寝落ちした私を部屋まで運んで少しは寝させてくれたんだって予想も相まって



「あの...どこ行くんですか？」

降「行けば分かる」

「いや、あの...

降「店名などいちいち覚えていない」



その発言から何らかのお店だとは分かったけど
15分程して停車した場所に、私はどうしても心躍った

だって

シャ◯ル
ルイヴ◯トン
エル◯ス
などなど、知らない人はいない超高級ブランドが立ち並ぶデパートだったんだから

新しく出来た建物だってそう言えば聞いた事ある
イケメンを抜いた女子の憧れの塊みたいな場所

まさか...これはデート！？
何か買ってくれる！？
"仕事よく頑張ってるな"って！？

ええええどうしよう！
やっぱり脈ありかな！？
辞職はやめようかな！？

という思いを更に高めたのが、その背中に着いて入ったお店

カルテ◯エ...
ティフ◯ニーよりもうちょっと大人っぽい印象の高級ジュエリー店

来たこれ

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