公安警察、辞めさせて下さい 2【安室透/降谷零】

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ど、どういう事...？

まるでピクニックにでも来たかのような食事一式を、ペンや手帳を押し退けながら目の前に一つずつ広げられて



「...美味しそう...」



匂いと共に、それが素直で率直に出た感想
湯気までたってるけど...まさか作りたて？
何で？



「...食べて良いんですか？」

降「その為に持って来たんだろ」



見た事のある箸を持って、いつかのように突くおかず
最近実はサイコパスなんじゃないかと疑い始めて来たイケメン上司を横に、最高に美味しいご飯と妙に感じるプレッシャー

すごい緊張するんだけど...これって喜んで良いの？



降「...何か言わないのか」

「え、あ、美味しいです！ありがとうございます！」

降「...違う」

「ち、違う？」



とこれまた何故か怪訝な顔をし始めるイケメン
違うって何？
私何か間違えた？
全然分からないんだけど？



降「...何故辞めたい」

「え、あ...ですから私には向いて無かったんだと思って...もう何ヶ月も経ってるのに未だに事務作業もままならないんじゃ皆さんの足を引っ張るだけですから」

降「.....」

「...あの、だから辞表を

降「辞めてどうする」

「どうって...他で仕事を探しますけど

降「勿体無いと思わないのか」

「...何がですか？」

降「家族の反対を押し切って警視庁に来たんだろ。警察学校でもせっかく優秀な成績を修めたというのに、その身分を捨てるのは勿体無くないのか」

「そりゃ降谷さんみたいなイケメン上司にはもう出会えないと思いますけど、こんな劣悪な環境も他に無いと思います。
有休も取れなくて、定時にも帰れなくて、警察官になったのに毎日書類作業しながら怒られ続ける毎日。私だって嫌ですよ...この間家族とビデオ通話したら痩せたんじゃないかって心配されました」

降「太っただろ」

「なっ...太ってないですよ！！女の子になんて事言うんですか！」



と言いながらも口に運び続けるのは温かいご飯
...いや、太ったかも...



「と、とにかく！怒られるのは私の能力が足りないからで降谷さんのせいじゃありません。ですがこれ以上どう

降「当たり前だ、だから辞表を書いて逃げる暇があるならもっと腕を磨いたらどうだ」

「...いや、ですから

降「そもそも仕事も出来ない女をどこが受け入れてくれると思う？」

「っ...」

降「日本は転職に優しくない。何故前職を辞めたのかも聞かれる。その際に"何も出来なかったから"と答えるのか？」



...絶対サイコパスだ

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