公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

▼ ページ31

一晩中作業し続けて大至急手配したH&K社のP7
ようやく点検やら記録やらを終えて私の手元に戻って来たずっしりと重みのあるそれを持って



風「Aさ...だ、大丈夫ですか...？」

「大丈夫じゃないです...」



これから持ち主になる女性のデスクへ向かうと、不思議な角度でぐったりとしているAさん
い、一体何が...



公「首を寝違えたそうですよ、彼女」

「痛くて曲がりません...降谷さんが起こしてくれなかったんです...」

風「ふ、降谷さんが...？」

公「起こしてくれなかったって...そ、そういう関係なの...？」

「なれるならなりたいですよ...降谷さんとカップル...」



...全く理解出来ない
何故Aさんの寝違えに、降谷さんが関わって来るのか
っ、そう言えば以前歓迎会の時に"帰るぞ"と
まさかお二人は同せ



公「え！？降谷さんとお隣！？」

風「お、おとなり...お隣！？それはお住まいになっている住所がですか！？」

「あれ？言ってませんでしたっけ？」

風「全く聞いてませんよ！？」

「え、私出勤2日目で部屋着にすっぴんで来たじゃないですか。あれは引っ越しの挨拶で菓子折り渡しに行ったら、隣の部屋に住んでるの降谷さんだったんです。それでそのまま警視庁に連れて来られて...痛っ...」



そう言って首元を抑えた様子に、我々は唖然である
Aさんと降谷さんがご近所さん同士...
そんな事降谷さんも一言も...



公「...それで、起こしてくれなかったって...？」

「昨日夜ご飯作ってもらったんです。
お腹いっぱい食べて、お酒も飲んで、気付いたら寝ちゃってて...目が覚めたら朝になってました...
でも降谷さん酷いんです！
リビングで寝る私を放置して自分は気持ち良くベッドで寝たらしいんです！
普通漫画ではそういう時女の子をベッドに運んで、自分はソファで寝るとかなのに！！」

風「え....」

「あと！目が覚めた時サンドイッチ作ってたんですけど、私が首曲がらないって分かっててそのサンドイッチ丸ごと口に押し込んで、そのまま家追い出されたんですよ！？
ちょっとずつ食べさせてくれれば良いじゃないですか...美味しかったですけど...
あ、風見さんは私に用があるんですよね？」

風「こ、こちらAさんの拳銃です。少し扱い難いモデルですが

「え？それってこれと...同じですよね？」

風「はっ...それはどちらで！？」

「降谷さんから貰いましたよ？昨日」



こ、これは...
もしかして我々が思っている以上に降谷さんは...

▼→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す