公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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「こちら本日の資料です」


そう言いながら一人一部ずつ紙束を配る様子は、本当に同じ人物なのかと疑いたくなる

あの後

『わ、私は本気です！もちろんその、初恋の女性探すのも応援しますし、他に意中の女性が居るのなら諦めますけど...そうじゃなければ考えて欲しいです！特訓も事務作業ももっと頑張りますから！』

との言葉に"勝手にしろ"としか言えなかった
拒否してそれで頑張らなくなられるのも困るとの理由で


「スクリーンの準備整いましたのでこれよりミーティングを開始したいと思います。まずは...


そして俺はそのまま帰宅
車も無いこの女がその後どうしたのかは知らないが、ポアロへ向かう前に押したインターホンは変わらず無返事だった
かと言ってわざわざ連絡をするのも億劫で、ちょうどいい機会だと特訓をしばらく中止にした

一方で近頃俺は俺で組織の方が忙しかった為に、実はこの女と顔を合わせるのはあれ以来初
...ちゃんと睡眠は取っているのか？
食事も、そもそも帰宅も
元気そうには見えるが...
俺も体調を崩して欲しくて仕事を割り振っているわけじゃない
だからしっかりと


風「降谷さん？」

降「...な、何だ」

風「...まさか聞いていらっしゃらなかったのですか？」

降「...いや...そんな事は

風「お疲れでしたらまた後日でも

降「いいから続けろ」

風「...ですから、次の任務にAさんも加えたいと...もう入庁から1か月が経ちましたので、そろそろ現場の経験も

降「ダメだ。言ったはずだ、あの女の拳銃所持と現場任務は俺が許可を出すまで禁ずると....、っ」


シワ一つないスーツで大きなファイルを胸に抱えるやや小柄な女と合った視線
...そんな残念そうな顔


風「...何故ですか？彼女は充分に能力もあると思われます。現在オフィスでの事務作業は既に完璧と言ってもいいでしょう。初日に私も同行させていただいた術科センターでも、見た限り我々より劣っているとは到底思え

降「拳銃はおもちゃじゃなければ現場も社会科見学じゃない。新人だからと言って少しでも失敗があればそれは公安全体に響く。女一人の為に公安の威信を落とすなど出来ない」

風「...降谷さん、言葉が...っ、少し失礼します」

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