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続き ページ12

「大丈夫か?これからは単独行動禁止だ。全く、しょっぴかれたいのか」


ぐちぐちと文句を言いながら、私の拘束を解いていく。口に張りついたガムテープは痛かった。


さっきまでの余裕はどこへやら。彼は焦りながら私の無事を確認した。


「ごめんっ、銃兎」


「どれだけ心配したと思って……」


「ほんとに……ごめん。あのさ、1つ、聞いてもいい?」


「何だ?」


「あの時、男が拳銃を向けてたとき、何で動けたの……?」


彼は私の言葉に、そんなことも分からないのかと言うような表情を浮かべた。


「あの拳銃には弾は入ってないからだ」


「は?入ってるでしょ……?」


「ここに来る前に私が拳銃から弾を抜いておいた」


「なんで……」


「予想だ。こうなるってことが予測できたからな。でも、まぁ」


恐怖が遅れてきたのか、がたがたと震えている私の体を銃兎は抱き締めていた。


「怖かったか」


なんて、背中を優しくさすってくれる人だったっけ?そんなキャラ?


「こんなことする奴だっけ……」


私が漏らした言葉に彼は、ははっと笑った。


「普通はこんなことしねぇよ。Aだからだ。この意味、分かるか?」


「全然」


生憎、私は鈍感である。銃兎は呆れて、私の顔を見る。


「Aが好きだから、こんなことしてんだろ?」


「えっ!?」


彼の顔は少し赤くなっていて、聞こえてくる彼の鼓動は私と同じくらいはやかった。


「こんなとこで言うような事じゃなかったな。帰るぞ」


と彼は私をお姫様抱っこし、警察署まで運んでくれた。



軽く事情を説明し、お叱りをくらって落ち込んでいると、銃兎が私の隣でコーヒーを飲み始めた。


「そこまで落ち込むことないだろ、次頑張れよ」


「……うん、そうなんだけど。今日、銃兎が助けに来てくれなかったら、私、どうなってたんだろうって怖くなって…」


俯いているせいか、涙が目を覆っていく。


「これからも、俺が守ってやるよ。Aが危険な時、助けに行かない訳ないから」


そう言うと、彼は頭を優しく撫でた。こんなプロポーズみたいな言葉、さらっと言えるなんて。


「それは、心強いね、ありがと」


「あぁ」


「ね、銃兎」


「あ?」


「……すき、だよ」


「今、何て……、?」


「だから、その、すき……って」


銃兎の方を見ると、顔を真っ赤にして驚いている。可愛いかよ笑


「俺も、好き……だ」


「分かってる、ありがとう」


こうして、私達は付き合いだしたのだ。

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作者名:袴田 怜 | 作成日時:2018年12月17日 1時

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