32話 ページ33
くい、とショットグラスの中身を煽る。
もう何杯目になるのか数えられないほど飲んでしまったが、いっこうにAの表情は変わらない。
降谷も弱いほうではないので、これを期に彼女から色々話を聞こうと思っていたのだが、どうやらこの作戦は失敗のようだ。
(……人並みどころか……これじゃまるで"酒豪"だな)
そう失礼なことを考える降谷の横では、Aがにこにこしながら酒を喉に流している。
彼らがこの店に来て、既に一時間が経過しようとしていた。
無礼講だとは言ったものの、Aは酒を飲んでもあまり喋るほうではなく、ただ美味しそうにグラスの中身を煽る。
ぽつり、ぽつりと彼女が話す内容も、主に降谷が知りたいことではなかった。
彼が聞きたいのはたった一つ。
先日、Aのスマホに届いていたメールの送り主のことだ。
もしあれが、本当にRAMなのだとしたら。
考えたくはないが、彼女の謎が更に深まっていく。
組織に潜入している刑事がまだいるなんて。
しかも公安ではなく、組織の情報を知らない刑事部の女だ。
何か特別なことがあるのかもと、ここ数日彼女を探ってみたが、とくに不審なことはなかった。
やはり直接、彼女に聞いてみるしかない………そう思い、今回この場にAを誘ったのだ。
一方、酒を楽しそうに飲んでいるAも、頭の中では冷静に降谷を観察している。
やはり彼は、何か探りに来ているのだろうか？
警察庁のおえらいさんが、こんな変哲もないただの女に一体何の用があるのだろう。
それに降谷は、Aと同じように自分を見せようとしない。
ごくり、と彼女の喉を酒が通る。
表情に出ていないだけで、Aもそれなりに酔っていた。
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W.m(プロフ) - このお話の虜になってしまいました！是非続きをお願いします！ (2022年7月22日 1時) (
レス) @page38 id: cc284c2617 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - びっくりするくらい面白いし続き気になります!!ぜひ更新して欲しいです!! (2022年5月21日 18時) (レス) id: 4f6136cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - 初コメ失礼します！とっても面白いです。探り合いの雰囲気とか格好いいですし、降谷さんがバーボン飲んでもらって赤ちゃん化するの笑いましたw可愛い! (2020年7月19日 13時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 雅２さん» 大丈夫ですちゃんとわかってますので！笑笑 この後の話に繋げてるのでご心配なさらず…！変なところで終わってしまったからですよねすみません…！コメントありがとうございました！！ (2020年6月8日 2時) (レス) id: 8a2861dc31 (このIDを非表示/違反報告)
雅２(プロフ) - スピリタスって度数96の純正アルコールですよね？そのまま飲んだりすると大火傷を主人公が負ってしまうのでちゃんと水か何かで薄めて他のアルコールの果実酒として飲むようにしてくださいね笑 (2020年6月7日 22時) (レス) id: 57165b9e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mリン
| 作成日時：2019年6月22日 17時
