10話 ページ11
「____と、いうことなんだ、赤井さん」
事件があった翌日、コナンはAのことを赤井に相談するため工藤邸を訪れていた。彼は昨夜、Aにこっそりと仕掛けた盗聴器から聞いてしまったのだ。
彼女の歌う、七つの子を。
「濱口A、か……聞いたこともないな」
彼女のことを一通り聞いた赤井は、腕を組んで険しい顔をする。
そっか、と残念そうに頭を下げるコナンに赤井は続けた。
「組織はとにかく規模が大きいからな……幹部と言っても名前の知らない奴等はごまんといる…」
「だよね…」
「だが、彼ら以外に日本警察が組織に所属していたなんて聞いたことがない。余程慎重なのか……」
赤井がそう言いながらコーヒーを啜るのを見て、コナンは確かにと考え込んだ。
この前彼女を見た限りでは佐藤や高木よりも年下のようだったし、捜査一課に来たばかりの人間がそんな危険な組織に潜入しているだろうか。
そもそも、警視庁では公安部以外組織について知らないのでは?
だとすれば、やはり彼女は公安から異動になった可能性が高い。
(だけど、Aさんはそれを隠してた……)
コナンの目付きが鋭くなる。
赤井はその様子をじっと見つめていた。
つまりAには、元公安部であるという情報を漏らしたくない理由があるのだ。もしくは_____
「公安じゃ、ないとしたら……?」
ふと口から考えがもれ、コナンの頬を冷や汗が伝った。
"公安"という言葉に反応した赤井に、コナンは今考えていたことを急いで伝えた。
彼も驚いたようで、若干ではあるが目を見開く。
「その推理が仮に正しいとしたら、その濱口Aという女は……どうやって組織の情報を手に入れたんだ?」
コナンもそこが引っ掛かっていた。
彼等のような表舞台には現れない組織を、公安じゃないのにどうやって知ることが出来るだろうか。
(Aさん……一体何者なんだ…?)
どちらにせよ、まだまだ彼女の情報が足りない。
Aはコナンにとって、もしかすると希望になるかもしれないのだ。
組織の情報をもっと手に入れられるかもしれない。
是非とも味方につけたい。
「とにかく、もう少しAさんと関わってみるよ」
「あぁ、こちらも色々調べてみる」
「うん!」
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W.m(プロフ) - このお話の虜になってしまいました!是非続きをお願いします! (2022年7月22日 1時) (レス) @page38 id: cc284c2617 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - びっくりするくらい面白いし続き気になります!!ぜひ更新して欲しいです!! (2022年5月21日 18時) (レス) id: 4f6136cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - 初コメ失礼します!とっても面白いです。探り合いの雰囲気とか格好いいですし、降谷さんがバーボン飲んでもらって赤ちゃん化するの笑いましたw可愛い! (2020年7月19日 13時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 雅2さん» 大丈夫ですちゃんとわかってますので!笑笑 この後の話に繋げてるのでご心配なさらず…!変なところで終わってしまったからですよねすみません…!コメントありがとうございました!! (2020年6月8日 2時) (レス) id: 8a2861dc31 (このIDを非表示/違反報告)
雅2(プロフ) - スピリタスって度数96の純正アルコールですよね?そのまま飲んだりすると大火傷を主人公が負ってしまうのでちゃんと水か何かで薄めて他のアルコールの果実酒として飲むようにしてくださいね笑 (2020年6月7日 22時) (レス) id: 57165b9e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mリン | 作成日時:2019年6月22日 17時