泣いてもいいんだよ【赤葦京治】

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なんでいんの？




「これがゴミ箱の中に捨ててあったから」




そう言って彼は私がぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に捨てたはずの紙を取り出した。




「声に出てるよ。」




マジでなんなの。




部活終わったあとわざわざ教室まで見に行ったわけ？




『……………とりあえず、上がって』




ずっとここにいるのはいろいろマズイ。




とりあえず、中に上げる。




散らかってるわけでもないし、




大丈夫だろう。




彼はソファに腰をかけた。




「なんで捨てたんですか？」




『逆になんで置いておいたんですか？』




普通ありえない。




今日初めて話したのに。




なんでこんな私に構うの？




こんな地味で、どうしょうもない奴なんて、ほっとけばいいじゃん




余計イライラする。




「あなたとは、同じタイプのようなきがしたから。」




『……そんなわけないじゃない。あんたは何でもできるし、かっこいいし。私なんかと比べ物にならないよ。』




「そんなこと『なんで私に構うの？』」




あーあ。聞いちゃった。




聞いて得することなんて今までになかったのに。




さらさら馬鹿だよね。私。




疑問に思って聞けば裏切られるし、影でこそこそ言うし。




赤葦京治も一緒なんでしょ。




でも、彼が口にした言葉は意外なものだった。




「あなたが、素直じゃないから。」

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