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残暑、贖罪 ページ12

特に何もすることがなくて、机に向かって課題をし始めた頃、スマホが布団の上で規則正しく鳴った。シャーペンを置いて、スマホを取りに立つ。思った通り、京治だった。

「あ、出た。もしもし」
「どうしたの」

外はいつの間にか黒く染ってしまっていて、スマホを片手に慌てて窓とカーテンを閉める。

「急にごめん。メッセージの返事、なかったから」
「あ、ごめん。忘れてた」
「ならいいけど。明日迎えに行くから、ちゃんと待ってなよ」
「大丈夫だよ。ありがと」

それからほんの少しばかりたわいもない会話なんかをして、電話を切った。昨日よりも心なしか明るく感じた京治の声に、罪悪感で押しつぶされそうになった。
私だって、嬉しい。久しぶりに会えた幼なじみだし、花火大会だって楽しみだし、もっと話もしたい。

京治が私のことを悪く思っていないのだってわかってる。それでも私が私を許せない。

京治へ抱く気持ちだって、私は。

君は綺麗だ→←空蝉



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作者名: | 作成日時:2020年7月2日 23時

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