ぶりっ子と悪女とモブのヒロインがいる部活荒れすぎてる。3【ハイキュー】

124 ページ46

_____


「黙って。」


私の声が踊り場に響く。


3人が息を呑んだのが聞こえた。



なんなの？なんなのほんとに



あんた達に1番言われたくないよ。1番言われたくない。


強く握りしめた拳は爪が当たって痛いし

唇は血の味だし

目は重くて気抜いたら泣きそうだし



最悪最悪。



でも、あんた達の前じゃ絶対泣いてやらないから。





3人の顔をゆっくりと睨みつける。



｢あんた達の方がおかしいでしょ。」


泣かないように、息を吸いながらゆっくりと話す。


「…は？なんですって？」




「どんな理由で部活に入ろうが関係ないけど、入った後に部員に迷惑かけるのは違う。見ててわかんないわけ？あんた達の大好きな王子様達は本気で全国目指してるわけ。ほんきでバレーやってんの。」



みんな、バレーが好きなの。



「それをあんた達の馬鹿みたいにくだらない欲望で潰しかけてるんだからね？｣



男が好きなら合コンでも出会い系アプリ登録でもすればいいじゃん。ここは違うの。


バレーをする場所なの。



怒りで熱くなった頭で最後の方は捲し立ててしまった。



「…ふざけないでよっ」



花宮の聞いたことの無いくらいの低い声と共に頭に冷たい何かがかかって熱が冷めていく。



花宮の手元にはペットボトル。




「…なに、図星言われて焦ってるの？」



一度開いた口は止まることを知らない。




最上級に醜く歪んだ3人の顔を見て、上手く働かない頭でやってしまったと考えた。



「黙ってよモブのくせに！ブスのくせに！！」


笹倉ちゃんの手が伸びてくる。


それを避けようとして1歩下げた足が宙をかいた。






「…あ」


階段上に残した足も濡れた床に滑って




落ちる。




3人の顔が驚きと焦りに染まった。




三本の手が伸びてくる。





…なんだ、助けてくれるの？



その手も宙を掻き。




花宮はもう見たくないと顔を覆い



高瀬先輩は苛立ちに顔を歪めて更に手をこちらに。


笹倉ちゃんは手を伸ばし過ぎて自分も落ちそうになってる。








頭打ったらどうしよ

お母さんたちに心配かける。


痛いのは嫌だな。

骨折も嫌。



走馬灯のように色んなことがフラッシュバックして。



漏れ出た最後の本音。






今になって気付くとか、遅すぎだよ。









「…遥人。助けて」

125→←123

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す