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スペースなう
_____
来るであろう衝撃に身を固くしたその時。
「A!!!!」
聞きなれた低い声が聞こえる
体が誰かの温もりに包まれて、急激に落下は止まった。
「はぁ、はぁ…よかった、間に合った…」
「…へ、遥人…」
呆然とする私がちゃんといることを確認するように遥人に強く抱きしめられる。
「…私、濡れてるよ」
「いいよそんなの。」
「…真央、どういうことかな」
遥人の後ろからゆっくり階段を登ってきたのは及川さん。
後ろにも一軍が沢山いる。
「…あ、や…」
「…違っ」
「…」
先程とは違う焦りに顔を染めた3人。
及川さんと目が合った。
悲痛そうに眉をしかめてごめん。と口の動きだけで言った。
「はぁ、はぁ、岸野!!」
後ろから湯田さんたち二軍、三軍がタオルやらを持って駆け寄ってくる。
遥人がタオルを受け取り、私を簡単に拭いた。
「A、今日は帰ろう。」
「…え、でも」
「いいから。」
手を引かれて階段を下りる。
3人の顔は俯いていて見えなかった。
帰り道。今まで以上に重い沈黙。
時折、遥人からは気遣う目線が送られてきて。
それに大丈夫だよと言うにはあまりに精神的にも肉体的にも疲れていた。
家の前。
「…ごめん、ありがとう」
そう言って入ろうとした時腕を掴まれる。
「…ほんとに、大丈夫なの」
真っ直ぐな視線。
いつも私を見てくれる真っ直ぐなその目が私はずっと好きだった。
「…大丈夫、」
目を逸らして手を離そうとすると、腕を引かれて顎を掴まれ間近で目を合わせる。
「…嘘つき」
泣きそうな顔で遥人が言うから。
「…じゃ、なかった…」
涙が溢れてきて。
「大丈夫じゃなかった…うぅ、」
遥人の家で、年甲斐も無く泣いて。
ずっと優しく私を撫でるその手に安心して。
「…私、赤ちゃんじゃないよ」
「…知ってる。これは大切な人にするもんなの」
目を閉じた。
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りぃ(プロフ) - 闇音さん、コメントありがとうございます。以前登場人物の名前変換設定で失敗してしまった時のが残っていると思われます、、意図的ではありません(><)ご指摘ありがとうございます!バクなのか何度訂正しても文字化けしてしまうみたいです、、また訂正してみます (2023年4月24日 19時) (レス) id: 059539aecb (このIDを非表示/違反報告)
闇音(プロフ) - 初コメント失礼します。何ヶ所か文字化けしているところがありましたが、意図的にされているのでしょうか? (2023年4月18日 0時) (レス) @page19 id: 4b6499a764 (このIDを非表示/違反報告)
噂のキャンディー(プロフ) - 遥人ォォォォォ!カッケェっす!夢主ィィィィィー!幸せになってね!号泣しました、この作品を作ってくれてありがとう!りぃさん! (2022年8月7日 9時) (レス) @page50 id: 527420b84e (このIDを非表示/違反報告)
アバラボネ - あ〜泣く〜やばいっすまじで泣くなんかもう大好き!!あ〜好き、語彙力失っててすいませんちょっとつかまえに行ってきますとにかく!!この作品が最高すぎましたありがとう!!! (2022年8月1日 23時) (レス) @page50 id: 8c98ac490b (このIDを非表示/違反報告)
椿 - めっちゃ面白いです!!がんばって下さい!!遥人が好き過ぎる (2022年7月28日 18時) (レス) @page49 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぃ | 作成日時:2021年12月30日 4時