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「ちょっと、手加減ってどういうことですか木兎さん」
梟谷コートで赤葦が困惑したように木兎に聞く。
「いや、知らねえ。」
だって俺OB会出れなかったもん。
まだ根に持っているようで不満げな木兎。
「でも、一つだけ言えることがある。」
木兎が声を大きくして言った。
「絶対油断するな。気を抜くな。」
いつになく真剣なその表情に、冷や汗が頬を伝う。
「じゃないと...食われるぞ」
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ホイッスルの音に、試合が始まる。
最初のサーブは...
いきなり遥人だ。
ボールを力強く二回つく。
「別にレシーブ下手な人狙ってもいいけど、初見じゃしんどいよねえ。...ほら、光。行くよ」
高くあげられたボール。全員の視線が遥人に集まる。
勢いよく振りかぶった手から、ボールが勢いよく放たれた。
「え、ホームラン?」
誰かがそう呟いた瞬間、ボールが勢いよく曲がる。
物凄いスピードでボールは木兎の腕へ真っ直ぐに向かっていく。
「くそっ」
ボールは大きい音と共に木兎の腕に弾かれて、コート外へ高く舞い上がった。
「...は?」
「...おいおいおい、さっきとは桁違いじゃねえか...」
呆然とする周りを見て、満足そうに遥人が微笑む。
「いい感じに入ったなあ。今度は誰が行きます?」
「っ、俺が受ける」
リベロの小見が出てくる。
「いきなりリベロですか?やだなぁ、俺サーブそんな得意じゃないのに」
ニコニコ笑いながら言う遥人に周りはそんな訳ないだろ!と心の中で突っ込んだ。
再び、遥人がサーブを打つ。
今度は真っすぐ小見の元へ行った。
「っ、悪い!」
「いや!よく取った!」
乱れたものの、なんとか上げる小見。
「赤葦!!!」
「木兎さんっ!!」
高く飛んだ木兎。
その前に二枚のブロックが素早く付いた。
西城と三隅だ。
「あっは、ぶち落としてやんよ」
「もっと腕閉めてよ司。」
「っ!」
木兎はブロックにスパイクをぶつけ、リバウンドする。
「あっ、おい逃げたな光!!」
「二人に立ち向かうほど馬鹿じゃねえ!」
赤葦!ともう一度叫んだ木兎はコートにストレートを打ち込んだ。
「えっ、もう俺のサーブ終わり?」
「うん。どんまい、“怪傑の雷神”くん。」
「げ、まじかよ」
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りぃ(プロフ) - 闇音さん、コメントありがとうございます。以前登場人物の名前変換設定で失敗してしまった時のが残っていると思われます、、意図的ではありません(><)ご指摘ありがとうございます!バクなのか何度訂正しても文字化けしてしまうみたいです、、また訂正してみます (2023年4月24日 19時) (レス) id: 059539aecb (このIDを非表示/違反報告)
闇音(プロフ) - 初コメント失礼します。何ヶ所か文字化けしているところがありましたが、意図的にされているのでしょうか? (2023年4月18日 0時) (レス) @page19 id: 4b6499a764 (このIDを非表示/違反報告)
噂のキャンディー(プロフ) - 遥人ォォォォォ!カッケェっす!夢主ィィィィィー!幸せになってね!号泣しました、この作品を作ってくれてありがとう!りぃさん! (2022年8月7日 9時) (レス) @page50 id: 527420b84e (このIDを非表示/違反報告)
アバラボネ - あ〜泣く〜やばいっすまじで泣くなんかもう大好き!!あ〜好き、語彙力失っててすいませんちょっとつかまえに行ってきますとにかく!!この作品が最高すぎましたありがとう!!! (2022年8月1日 23時) (レス) @page50 id: 8c98ac490b (このIDを非表示/違反報告)
椿 - めっちゃ面白いです!!がんばって下さい!!遥人が好き過ぎる (2022年7月28日 18時) (レス) @page49 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぃ | 作成日時:2021年12月30日 4時