続 ページ36
東京校のミーティングで禪院真希先輩はこう言った。
「東堂は化け物だ。全員出相手にして全滅するのが最悪のパターン。だから足止めとして一人だけ恵かパンダを置いてくつもりだったが…虎杖、お前に任せる。」
そしてもう一つ。
「一番の問題はAだ。」
「えっ禪院先輩?」
俺がそう聞き返すと真希先輩は頷いた。
「つーかどっちも禪院だと分かりずれれぇから私のことは真希、AのことはAって呼べ。」
「でもなんでその…Aって人が一番問題なんですか、真希さん。」
俺が聞きたかったことを釘崎が代弁してくれた。
「…それはな、彼奴の持つ術式にある。Aは水を操るんだ。どんなものも水分を含んでいたら凍らせることも蒸発させて干からびさせることもなんでもできる。」
初めて知った、A先輩の術式。
あの人は本当にすごい人なんだ。
「でも、制御するのはすげぇ難しいし呪力の消費もやばい。…彼奴は天与呪縛も持ってるし。……つまり何が言いたいかっつうとAは私ら全員一瞬で気絶させることもできんだ。」
「でもA先輩はそんなことしねぇっしょ?」
だって先輩はそんなことする人じゃない。これはたしかに勝負だ、全部をかけなきゃいけねぇけど先輩はしない…いや、できねぇ、と思う。
あの人は俺を…宿儺をかもしれねぇけど、傷つけることに恐怖を感じていた。
俺たちに恐怖を感じるんじゃなくて、先輩自身に。
『俺が虎杖くんを…兄上を、俺の大事な人を傷つける時は一生無いって誓うよ。ちょっとでも傷つけたら俺自分で死ぬし』
先輩は笑って言ってたけど本気だろうなって、そう思った。
「…虎杖、お前なんでAのこと知ってんだ?」
「……あー…その色々助けてもらちゃって…その時に色々話したんっす。そしたら何があっても傷つけることはないって、そんなことしたら自分で死ぬよって笑って言ってた……」
「…大袈裟じゃ無い?」
俺がそう言ったら釘崎は理解できないって、そんな顔をした。
「それがAならやりかねないんだよな。…まあ私、虎杖、伏黒は大丈夫だと思うが野薔薇、棘、パンダ。お前らはAを見たら逃げろ。特に京都校の奴らと戦ってる時はなんでもいいからAの視界から外れろ。じゃねぇと殺られるのは私らだ。」
先輩は先輩の大事な人を傷つける人には容赦ないと、それが呪霊だろうが人間だろうが変わらないと言った。
もうすぐ、京都姉妹校交流会団体戦が始まる。
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だしまきたまご(プロフ) - Jさん» いつもコメントありがとうございます!エンディングはまだまだ先になりそうですが、色々調整しなければいけないのでアンケート取らせていただきました。全部書くことになりそうですが頑張ります! (2021年4月3日 23時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
J - エンディング頑張ってださい。 (2021年4月3日 3時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
だしまきたまご(プロフ) - うむさん» 唐突な告白貰っちゃいました...!ありがとうございます、頑張ります〜! (2021年3月22日 0時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
うむ - 好きです(唐突)この後の展開が気になる・・・無理のない範囲で更新がんばれです!!! (2021年3月21日 11時) (レス) id: 7feb1ef4d4 (このIDを非表示/違反報告)
J - 無理せず頑張ってください!応援してます! (2021年3月21日 2時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だしまきたまご | 作成日時:2021年3月17日 10時