【呪術廻戦】もう一度その声で名前を呼んで。2

時は近づき ページ33

「…なんでもっと早くに戻ってこなかったのよ！」


京都に帰ってきて早々、真依ちゃんに怒られちゃった。


結局あの後、七海くんたちが帰ったあと急いで退院手続きをした。


お医者さんには止められたけど、きっと放っておけば治るよ。


もし治らなくても、きっと誰も気にしないから大丈夫。


『ごめんね、真依ちゃん。ちょっと用事ができちゃってさ。ほら、お土産買ってきたから…そんな悲しそうな顔しないでよ。』


「別にっ、してないわよそんな顔！」


真依ちゃんが本気で俺の事心配してくれるの、嬉しいよ。


だけどそれはもっと違う、俺よりも大事な人にして欲しい…とは前言った時に怒られたから言わないけど。


「…というかA、怪我増えてないか？」


『うーん、そうですか？』

加茂先輩の問いかけにそう返した。

だって増えたって言っても左腕と首から心臓にかけてを包帯で巻いてるだけだし痛いけど全然大丈夫なはず。


「明らかに増えてるわよ。最初は包帯なんか巻いてなかったじゃない。」

『大丈夫だよ真依ちゃん、心配なんてしないで。』


荷物を持ってそのまま部屋へ逃げ出してしまった。


お願いだから、本当にお願いだから…俺が居なくなっても君たちが笑っていられるようにさせて。


俺がいなくなったら寂しがってくれるって期待なんかしたら益々離れたくなくなってしまう。


それは、いやだ。



***


「宿儺の器・虎杖悠仁は殺せ。」


来てしまった、来てしまった交流会…

東京に来てしまったさっきなんて五条さんを見ちゃって慌てて東堂くんに背中に隠れたけどもう心臓に悪いよ…


「あれは人ではない故に全て不問、事故として処理する。遠慮も躊躇も要らんぞ。」


ああ、学長がなんか言ってる。

そんなの、加担するわけないじゃん。

俺に兄上は絶対殺せないし、虎杖くんも同様だ。兄上に殺されるならまだしも。


だから、本当にその口を閉じて欲しい。

学長は何も兄上のことを分かってないって叫びたいけど、今はまだ何も言わないでおこう。

「女の趣味の悪いお前らにはとうの昔に失望している。謀略策略勝手にやれよ。

但し次に俺に指図してみろ…殺すぞ。」

そう言って東堂くんが出ていったから俺も同じふうに立って。

『俺もちょっと無理。失望は全然してないけど…ごめんなさい』

そう言ってその場を後にした。

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