続々 ページ21
「お前が渡した水晶は傷さえつかなかったから命に別状はねぇけどな。」
『そう、ですか…』
俺は何も出来ていない、守れてさえいない。
居なかったから仕方ない?
そんなの言い訳にならない。
守るって決めたのに、本当の約立たずじゃないか。
沢山の時を経ても、やっぱり何も変わっていなくて。
知っていれば、その時その瞬間に俺がいれば、俺と津美紀ちゃんが代われれば。
俺なんか居ても居なくても世界は何も変わらないんだから、津美紀ちゃんを必要とする人は多いのだから。
なんで俺じゃなくて津美紀ちゃんなんだろう。
俺より大勢の人に不可欠な人なのに。
「ったく、そんな顔すんなよ。お前のせいじゃねえ。」
『…はい』
「それよりもお前は俺に何か言うことあんじゃねぇか?」
顔が怖いです師匠…
『あの後ほんとに死んだんですよ!?でもなんでか分からないけど禪院家に生まれてました…』
「は?」
だよね、俺も分かんないよなんでか。
もうそろそろ俺はこの世界に必要ないと思ったんだけどなぁ。
…必要ないのは最初からかもしれないけど。
「…じゃあ坊が言ってた特別一級呪術師禪院Aってお前か。」
坊!?
坊って五条さんのことだよね、あれ、おかしいな。
なんで知ってるの?
俺に興味なんかないはずなのに。
『い、言わないでください…五条さんにも、恵くんにも…傑兄にも。』
「何でだよ」
きっと五条さんも傑兄も硝子さんも恵くんも俺のことは忘れて今幸せに過ごしているだろう。
俺はただ笑って生きていて欲しいだけだから、そこに俺は必要なくて。
あの人たちが無事に生きているなら、幸せならいいんだ。
きっと会ったら戻れなくなる。
頼りすぎて本当に何も出来ない人になってしまうから、皆の足を引っ張るから。
『…だめなものはだめなんです。本当は甚爾さんにもバレるはずじゃなかったのに。』
「…あっそ。もう遅いけどな。」
意地悪そうに笑う甚爾さん、ほんとに意地悪だなぁ…
好きだけど。
「つーかまた背縮んだか?」
『縮んでませんけど!』
久しぶりにそんな会話をして、泊まらせて貰うことになって。
「恵の部屋でいいだろ」
『…流石に本人の許可無しはダメじゃないですか?』
「どーでもいいだろ、どうせ恵は気にしねぇし。ほら入った入った。」
恵くんの部屋に押し込まれて、申し訳ないと思いつつもベッドに横になった。
懐かしい匂いに頭がふわふわして、
そして、夢を見た。
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だしまきたまご(プロフ) - Jさん» いつもコメントありがとうございます!エンディングはまだまだ先になりそうですが、色々調整しなければいけないのでアンケート取らせていただきました。全部書くことになりそうですが頑張ります! (2021年4月3日 23時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
J - エンディング頑張ってださい。 (2021年4月3日 3時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
だしまきたまご(プロフ) - うむさん» 唐突な告白貰っちゃいました...!ありがとうございます、頑張ります〜! (2021年3月22日 0時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
うむ - 好きです(唐突)この後の展開が気になる・・・無理のない範囲で更新がんばれです!!! (2021年3月21日 11時) (レス) id: 7feb1ef4d4 (このIDを非表示/違反報告)
J - 無理せず頑張ってください!応援してます! (2021年3月21日 2時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だしまきたまご | 作成日時:2021年3月17日 10時