３ 幸せでした ページ3
『ここで過ごせて、幸せでした。』
ページをめくる手が無意識に止まった。
小学校の卒業アルバムのすみっこに載っていた思い出作文。
確かこの子は引っ越して、同じ中学には行けなかった。
彼女はクラスの中心人物で、学級委員もやってたし勉強も運動も出来た。
それでも。
『ねぇ、あの子ってちょっとうざかったよねー。』
『それ。自分偉いって思ってそう。』
『はっきり言うと引っ越してせいせいした。』
彼女は、自分が笑われてるなんて知ってたのだろうか。
今、こっちで彼女を気にかけている人なんていない。とうに忘れられている。
彼女にとっての『幸せ』はこういうことなのか。
可哀想、だと思ってしまった。
彼女が死んだ。自分から命を断った。
クラスと馴染めなかった、悪口を言われた。
遺書にそう書いてあったのだ。
本当のことを言ってくれる世界は彼女にとって『幸せ』じゃなかったらしい。
『幸せでした』
過去に縋ったってなんの意味もないんだ。
私は幸せなんて要らない。
もう、私の中はいっぱいだから。
ぐちゃぐちゃの──がなくなるまでは要らない。
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幻花(プロフ) - ありがとうございます！ (2018年11月27日 20時) (
レス) id: 56f78acefa (このIDを非表示/違反報告)
三月緑(プロフ) - カッコいい感じが好きです 応援しています (2018年11月27日 20時) (レス) id: b53440f7cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻花 | 作成日時：2018年11月26日 23時
