治らないなんて希望を捨てないで【小説】

心配 【紫雨】 ページ8

……鍵かけていませんね。大丈夫なのでしょうか……。

いつも通り廊下を徘徊していたが頼々さんの部屋に鍵がかかっていないことに気づいた。
耳をすましてみたら目覚まし時計が鳴り続けていて目覚まし時計は一向に止まる気配がない。

……大丈夫なんでしょうか。
僕は扉を叩き
「頼々さん。大丈夫ですか？」

返事はなく何か嫌な予感がした。何か大変なことがおきていて返事が出来ないのではと不謹慎な考えが浮かんでしまった。

「すみません！！頼々さん！失礼します！！！」
人の部屋の扉だと言うのに勢いよく扉を開け中へと入った。

中は大惨事という言葉が合う状態だった。

床には頼々さんの体の1部である砂がばらっと広がっていた。

話を聞こうにも部屋に鳴り響く目覚まし時計の音がうるさくて話が耳に入らない。

とりあえず目覚まし時計の音はは消しておきましょう。ええ。それが最優先事項な気がします。

目覚まし時計の音を消しとりあえず今の現状を少しだけ考えましょうか。頼々さんは大丈夫…ではありませんね。腕がありませんし足の方もけっこう欠けていますね。これでは腕を探すことも困難でしょう。

「頼々さん。その足では歩けなさそうなので代わりに私が貴方の腕を取りに行きましょう。」

患者さんの腕が無くなったというのは大変なことですので喋る間も惜しいです。

さて、早く頼々さんの腕を見つけなければですね。

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